更新日:2020年12月07日 12:36
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コロナで就活できない大学生たち「希望業種にエントリすらできない」

コロナが長引けば来年の就職活動にも悪影響

履歴書 神奈川県内の私立大学3年生・本田翔平さん(仮名・21才)も、コロナ禍によって日常生活の大半を失ったひとりである。幸いにも実家暮らしであったため、食と住に困ることはなかったが、自分たちの世代こそ「忘れられているのではないか」という危機感が、日々強くなっていると話す。 「今の4年生は、ギリギリ内定した人たちもいる。内定取り消し食らった人でも、別の業界や企業が救済の手を差し伸べてくれるケースもあるそうですね。じゃあ今の3年はどうなのか、誰もわからない。コロナ禍は来年も続き、旅行業界だけでなく、他の業界にも影響が出ると言われ、今の4年生より就職が厳しくなるかもしれない」(本田さん、以下同)  本来であれば、もうそろそろ就活に向けて動き出すタイミングなのだが、まともに就活ができている友人や知人はいない。授業もないし、アルバイトもない。  収入が厳しくなり、生活が成り立たなくなったという異性の友人らが水商売で仕事を始めたりと、身の回りで信じられないことが起こり始めているという。 「別の大学では、学生に給付金が出たとも聞いていますが、うちは一切なし。就職課に掛け合っても、今は3年生より4年生のことで手一杯という感じ。俺らの世代が一番やばいんじゃないか、と周囲も気がつき始めています」

新卒採用どころか会社が潰れる

 本当にそうした「事態」が起きているのか。  就職情報サイトの営業担当・中西公彦さん(仮名・30代)が声を潜める。 「まず、対面でのセミナーの類がほとんどできなくなっており、企業はオンラインで採用活動をするしかなくなっています。さらに、弊社に求人情報を載せる企業側の動きも相当に鈍っていて、『来年度の採用を見送りたい』という企業はすでに少なくない数が出てきています。このままコロナ禍が続けば、多くの会社が潰れてしまう。就職うんぬん以前の問題です」(中西さん)  就職活動は前向きに頑張ればなんとかなる、というのは平時の話。普通の日常さえも取り戻すことが厳しくなっているという現実が、大学生たちを苦しめているのだ。<取材・文/森原ドンタコス>
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