更新日:2020年11月24日 13:42
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コロナ詐欺に遭い3か月で2300万円消失。看護師40代の後悔

 収入減に会社倒産、投資失敗……コロナを機に無一文となる人が後を絶たない。突然に訪れた無と絶望とはいかほどのものか。今回は詐欺で貯金全額を失った40代の女性を取材した。
[コロナで無一文]衝撃ルポ

望月由美さん(看護師・仮名・44歳)の口座の送金記録

コロナ関連詐欺に遭い3か月で全財産消失、おまけに借金も負う

「4月に、『コロナでコンサートができず困窮しているので援助してほしい』と言われ100万円を振り込んだのが最初でした」  望月由美さん(看護師・仮名・44歳)にツイッターを経由して嘆願してきたのは、某グラミー賞歌手ともコラボしているアメリカ人ピアニストの「L」。望月さんとは相互フォローをしていたが、それがLのなりすましアカウントであることを知る由もなかったという。  Lはその後も「コロナで自分の関わっている孤児院が運営難になっている」、果ては「コロナ禍で妻と険悪になり離婚するから裁判費用が必要」などコロナ禍と結びつけて自身が運営する「慈善団体」にお金を振り込むよう要求した。  望月さんの口座の送金記録をみせてもらった。1000万円近くを入金しようとしたが、「額が多すぎて一度に振り込めず、複数回に分けた」という。  件のアカウントとやり取りもスマホに残っていた。相手には免許証の写真まで送ってしまっているという望月さん。悪用されなければよいが……。

被害総額2300万円

 望月さんはそのたびに大金を送金していたが、相手がチャット以外の連絡に応じないことから、ようやく詐欺を疑い警察に駆け込んだのが7月末。振り込んだ総額は約1700万円に上っていた。  途中で預金が尽き、生命保険までも解約したが足りず、銀行のフリーローンと手持ちのクレジットカードローン7~8枚分を合わせて600万円を借り入れた。
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なぜ、そこまで?
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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