中年の無一文は幸せになれるのか? 今の日本では…
人生も中間折り返し地点となり、あとは老後に向けてもうひと踏ん張り……というところで、これまで築き上げてきた資産が強制消去。若い頃のように無理も利かないなか、突然に訪れた悪夢にどう対処すればいいのか。中年無一文者に勧めたい行動指針を聞いた。
転落からの再起を「幸福」とするなら、そもそも幸福とはどんな状態か。作家の橘玲氏は幸福の定義を自由、自己実現、共同体と仮定した上で、幸福は3つの資本から成り立つと説明する。
「貯金や家などの『金融資産』。労働力で得られる富『人的資本』。周囲との関係性から“富”を得る『社会資本』です。無一文ということは、金融資産だけが欠乏している状態。がんばって働いて人的資本を増やすか、社会資本に頼り幸福感を得るしかないでしょう」
乏しい収入を人との交流(社会資本)で補うのは東南アジアなど貧しい国では当たり前。コミュニケーションを密にして支え合えば貧困でも満足感の高い生活を送ることができると橘氏は言う。とはいえ、イメージしにくい。
「例えば軽自動車に乗って休日はモールに行き、外食はフードコート。洋服は中古ブランド服を購入し、娯楽は定額制の動画配信サービスを利用して、SNSで無料かつ簡易的に人との繋がりを感じるような。最近は贅沢=カッコイイという価値観でもないし、十分幸福感は得られると思います。ただ、モテることは諦めたほうがいいでしょうね」
中年無一文男でも、今の日本ではそこそこ幸せに生きられる。
「出版社に勤めていた知人は40代で薬物で逮捕されました。当然、会社はクビで家族にも見放され、最終的に行き着いたのは沖縄のホームレスシェルター。でも最近彼を訪ねたら、読み書きができるというだけの理由で重宝がられて、シェルターの事務員として普通に働いていました。転落人生にも必ず下げ止まる場所があります」
落ち続けた先で案外、真の幸福が見つかるかもしれない!?

※写真はイメージです
中年無一文者は地元密着型の幸せを追求すべき
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