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渋谷ハロウィンに「桃太郎おじさん」現る 今年はコスプレイヤーよりYouTuber多数

 今年の渋谷ハロウィンは、渋谷区からも「自粛」が求められた。当日の渋谷駅前にハロウィン目的で来ないように、ということである。が、それはあくまでも注意喚起に留まるもので、誰も来訪者を阻止することはできない。例年ほどの人出はなかったというのは確かだが、それでも渋谷は「密」になっていた。
交差点の様子

スクランブル交差点の様子

 そこにはどのような光景があり、どのような人が参加していたのだろうか。実際に行ってみた。

今年も屈強な警備員が至る所に配備

警備員

駅前の様子。今年も警察と警備員が協力する姿が見られた

 2020年10月31日、筆者はJR渋谷駅に降りた。時刻は18時30分。 「去年までのハロウィンでは、まったくないね。やっぱり閑散しているというか……」  そう話したのは、筆者の助手として同行するA氏。都内在住で、筆者とは小学校以来の付き合いである。 「これならいつもの週末のほうがよっぽど賑わってるくらいだ。みんな、渋谷を避けてるんじゃないか?」  彼の言う通り、渋谷駅ハチ公口につづく通路は「イベント感」がまったくない。平日夜の山手線と大差ない光景である。実際に駅からハチ公前広場に出ても、仮装をする人は数えるほどしかいない。 が、それを補うかのように多くの警察官や民間会社の警備員が配置されていた。  去年、渋谷に訪れた人々を見事に統制する株式会社BONDSグループの警備員たちが大きな話題になったが、今年も健在の様子だ。黒い制服を着た素晴らしい体格の警備員が、メガホンを片手に歩いている。 「ハチ公前広場で立ち止まらないでください! 通行の方々を優先してください! 危険ですから、広場で立ち止まらないでください!」  大声でそう呼びかけ、群衆の速やかな移動を促す。そのおかげで、去年まで発生していた「自分の好きな方向に歩けないほどの混雑」という現象は終始なかった。もちろんこれは、例年の渋ハロよりも群衆自体が少なかったということでもあるが。

コスプレイヤーの女のコはどこに…

渋谷駅

渋谷駅

 食事休憩を挟み、筆者とA氏が再びハチ公前広場に戻ったのは19時45分。このあたりから、徐々に仮装した人も増えていく。 「それでも、今年は少ないですね。もっと期待していたのですが……」  そう語ったのは、都内在住の大学生の男性。同じ大学の仲間と共に様子を見に来たという。 「もう少し時間が経てば、コスプレイヤーも増えるのでしょうか?」  しかし彼の願望はなかなか叶わなかった。去年までは露出度の高い衣装を着た美人コスプレイヤーが渋ハロを盛大に飾り、それを各メディアのカメラマンがこぞって撮影していたものだが……。 「今年は、そういう女のコがなかなかいませんね」  筆者はそう返したが、今年の渋ハロにまったく華がないわけでもない。広場の片隅でコスプレイヤーの女性がフリーハグを行っている。
コスプレイヤー

1回500円でフリーハグを行っていた女性。イケメンは無料とか

 フリーハグは1回500円で、イケメンは無料とのこと。な、なるほど……。

ハチ公に会いに来た女性

ハチ公

ハチ公には魔女の帽子と、「鬼滅の刃」に登場する狐のお面(厄除の面)が着けられていた

「例年より人が少ないとはいえ、それでも“”だよね」  A氏は不意にそう言った。今年の渋ハロは人が少ない、というのは事実ではある。が、新型コロナを恐れる人にとってはここが密な環境であることに違いはない。  冒頭に書いたように、たとえ渋谷区が自粛を呼びかけたとしても「行く人は行く」ということだ。それはもしかしたら、ある種の習性に基づくものかもしれない。 「私は何年も渋ハロに参加し続けてきました。コロナが怖いというのはもちろんあるのですが、だからといってこの日にここに来ないというのはちょっと……ね」  筆者にそう微笑んだのは、普段からコスプレイヤーとして活動する30代の女性。 「やっぱり、この状況下だからこそみんなで楽しみたいというのがあるじゃないですか」  そう言うと彼女は、ハチ公像の頭に魔女の帽子を被せた。「毎年恒例の渋ハロを欠かしたくない」というのもあるだろうが、彼女の場合は渋谷やハチ公像そのものに特別な思い入れがある様子だ。「渋ハロに遊びに来た」のではなく「ハチ公に会いに来た」と書けば、より彼女の思惑を反映しているだろうか。
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