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渋谷ハロウィンに「桃太郎おじさん」現る 今年はコスプレイヤーよりYouTuber多数

目立つYouTuberの姿

 筆者がコスプレイヤー以上に気になったのは、動画配信者の存在だ。むしろコスプレイヤーよりもYouTubeでのライブ配信を目当てに渋谷へやって来た、という人が目立った。  片手持ちのスタビライザーを握り締め、「コロナはただの風邪」と主張する国民主権党の集会を撮影する。中には彼らと討論を吹っけようとするYouTuberも。 渋谷 YouTuberがこの機会に便乗して再生回数を稼ごうという魂胆が見てとれるが、もっとも、今年の渋ハロが全国的なニュースになり得るようなものではなかったというのは、彼ら自身が一番噛み締めているのかもしれない。

鬼と戦う桃太郎おじさん

松川忠嗣

「日本桃太郎の会」会長・松川忠嗣氏

 渋谷マークシティ前に、このような人物が立っていた。 「私は桃太郎です。新型コロナという鬼と、楽しく戦います!」  元気な声でそう話すのは、「日本桃太郎の会」会長・松川忠嗣氏。以下、「桃太郎おじさん」と表記させていただく。  この時世だからこそ、誰かが桃太郎になって鬼と戦わなければならない。誰もが幸せになるような方向で、明るく楽しく鬼退治をする。桃太郎おじさんは熱意と共にそう語った。行き交う通行人にお菓子を配りながら。ハロウィンは古代ケルト人の風習が由来の祭事である。古代ケルト人は精霊の存在を信じる多神教信者で、自然現象に対する考え方は日本人のそれによく似ている。2020年10月31日の渋谷で、ハロウィンというものを最も正確に再現していたのは「明るく楽しい鬼退治」を目指す桃太郎おじさんではないだろうか。  渋谷区から自粛を求められた今年の渋ハロだが、それ故に「時世の縮図」のような景色が展開されていたことも事実である。<取材・文・撮影/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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