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「から揚げの天才」急成長を支える他チェーン店にないこだわり

「から揚げの天才」が挑戦する「4つのチャレンジ」

「から揚げの天才」の店舗は、約10坪の敷地に4席のイートインスペースを設けているタイプが標準的で、70店(※2020年12月9日現在)の約8割をFCオーナーが担っている。コロナ禍で飲食業界がダメージを負うなか、尋常ではない勢いでの拡大ぶりだが、から揚げの天才はさらにアクセルを踏み込む構えだ。フランチャイズ出店の初期費用を従来の約半額に抑えた、テイクアウト専門の業態「999万円出店モデル」を2020年9月からスタートしたのである。
から揚げの天才

実家が築地の卵焼き店というテリー伊藤氏も絶賛する「から揚げの天才」の卵焼き。こちらも注文を受けてから店内で作られる

「調理器具などの什器類をセットにしたコンテナを用意しています。これをオーナーさんの土地に設置して、テイクアウトに絞って営業するという形態です。このモデルを打ち出したタイミングで、テーブルサービスの飲食店を閉めざるをえなくなった経営者の方からたくさんの問い合わせをいただきました」  先が見通しにくい現下の経済状況においては、できる限り低投資で済むことは、チャレンジの重要条件だ。 「初期投資額を抑制しているので、投資回収期間を早めることも可能です。『これならチャレンジしてみたい』と思っていただけるような業態作りをしていくことも、フランチャイズ加盟店様に向けた目標のひとつです」

デリバリーサービスも展開中

 また、直営店では新たな試みも。笹塚店では、「から揚げの天才」店舗の敷地にデリバリー部隊を待機させており、自社デリバリーサービスである「ワタミデリバリー」を組み合わせたジョイント店舗を展開中なのだ。さらに、同敷地内には、近隣の異業態「bb.qオリーブチキン」の厨房機能も統合している。  つまり、このドライバーたちは、「から揚げの天才」と「bb.qオリーブチキン」の商品を運ぶということ。しかも、デリバリー専門のウーバーよりも運賃は安くしているという。フランチャイズ店舗への横展開を見据え、デリバリーの稼働実験を行っているというわけだ。 「お待たせせずにお渡しできるように、居酒屋業態で使っているネット予約機能を導入しましたが、今後はネットでの事前決済機能も検証していく予定です。より便利で、長く愛されるチェーンであるために、日々ブラッシュアップあるのみです」  ワタミグループとしてはフードコートへの初めての出店となる「から揚げの天才 アリオ西新井店」をはじめ、ワタミ初の立ち飲み店舗「から揚げの天才酒場 五反田店」など、従来の枠から飛び出して需要の取り込みに邁進中だ。前出のコンテナタイプの999万円モデルも含め、「2021年3月末に100店舗、2022年末に200店舗を出店し、300店舗体制を目指すのが直近の目標です」というから揚げの天才、その“チャレンジの天才”っぷりに今後も注目したい。
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