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緊急事態宣言は延長へ調整。社会の雰囲気でコロナ対策が決められる危うさ

緊急事態宣言に効果なし。論文で明かされた驚愕の実態

 GoToやひいては東京五輪開催に漕ぎ着けたい菅政権がやむなく緊急事態宣言を延長するのは、自粛要請によって人の流れを減らせば感染拡大を防げるという思惑からだろう。だが、この前提が間違っているとすればどうか。医師で医療ジャーナリストの森田洋之氏が語る。 「ロックダウンや自粛要請は世界中で行われており、どれほど効果があるのか研究がなされ、論文などで実態が徐々に明らかになってきています。  結論から言えばその効果は限定的であり、特に日本では自粛要請と死亡率に相関はみられません。緯度や経度、その国のある場所や気候に左右されるもので、アジアでは人の流れを規制してもしなくても死亡率に影響が出ないと結論づけた論文も出ています。  つまり、今の日本にとって緊急事態宣言のメリットがあるかどうかは怪しく、逆に経済的なダメージを被るというデメリットは明らか。緊急事態宣言の延長は打ち切ったほうがよいと個人的には思っています」

旧型コロナと新型コロナは同じ推移を辿っている?

 そもそも、気温が低く乾燥した時季にウイルスは活発化しやすく、かねてから冬の第3波が懸念されていた。旧型コロナ、いわゆる風邪の罹患者の推移を国立感染研究所「病原微生物研究情報」の’15年度から5年分をグラフ化したものと、新型コロナを突き合わせると、概ね同じ推移を辿っているようにも見える。
緊急事態宣言

出典:国立感染研究所 病原微生物研究情報より

「季節性の感冒や流行性の感染症というのは1月中旬から2月の頭くらいがピーク、というのが例年の傾向。旧型コロナの月ごとの推移は、新型コロナにもほぼ当てはまります。  実効再生産数(1人の陽性者が新たに何人に感染させるかを表す数値)を見ても緊急事態宣言を発令した1月7日は1.18で、ピークは1月11日の1.54。その後は下がっており、1月29日で0.77です。発令から4日でピークを迎えるというのはいくらなんでも早すぎますし、このまま0.7以下で推移していけば感染者は指数関数的に減っていきますので、収束も早い。  日本はすでに第3波のピークアウトしていると思いますよ。テレビでは朝から晩までコロナの恐怖を煽っていて、正直、医師である自分も気持ちが持っていかれそうになりますが、こんなときこそ冷静にファクトで判断しながら対策を練るべき」
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世論はより厳しい自粛を求め、人々が互いに監視しあっている
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