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『どうぶつの森』が追い風!?『牧場物語』は大ヒットするか否か

ゲームコラムニスト・卯月鮎

卯月鮎

『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』 Nintendo Switch/マーベラス/2月25日発売/5980円(+税)  2月25日に老舗スローライフゲーム『牧場物語』シリーズの新作が発売されます。今回は「森の開拓」がコンセプト。シリーズ史上もっとも広い牧場を自由に造ることができます。 『牧場物語』は海外でも根強い人気があり、世界累計1000万本を突破したアメリカ発のカントリーライフRPG『スターデューバレー』にも影響を与えています。
牧場物語 オリーブタウンと希望の大地

『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』は森の開拓が特徴

『牧場物語』新作に大ヒットの予兆

『牧場物語』シリーズ本編としては久々の完全新作とあってそもそも期待されているうえに、『あつまれ どうぶつの森』の空前のブームも追い風となりヒットの予感が高まっています。 「箱庭系ほのぼのゲーム」といえば、必ず名前があがる『どうぶつの森』と『牧場物語』。まずはこの両者の共通点をチェックしていきましょう。
牧場物語

初代『牧場物語』を紹介する公式シリーズサイト

『牧場物語』は、1996年にスーパーファミコンで初代が発売されました。いくつかのインタビューや講演で生みの親の和田康宏さんは、「戦わないゲーム」がコンセプトだったと語っています。バトルが軸となるゲームが大多数だった当時、田舎でマイペースに暮らす『牧場物語』は非常に希有な存在でした。  同じことは2001年に発売された『どうぶつの森』にも言えます。任天堂サイトの「社長が訊く」インタビューによると、開発当初の『どうぶつの森』はどうぶつたちを連れてダンジョンを冒険する内容だったが、ダンジョン部分をなくし、ゴールのないゲームとなって「おもしろいと思っていただけるのか、そこはとても不安でしたね」……と明かしています。  どちらも敵や他プレイヤーと戦わず、勝ち負けがないゲーム。いわゆる“ゲーマー”とは異なる層に支持されているのも納得です。  ゲーム内でリアルタイムに時間が過ぎ、四季がある点、自然に囲まれてのんびり釣りや採集ができる点、住民とのコミュニケーション要素……など、ゲーム内容も近い部分が多数あります。 『あつまれ どうぶつの森』は世界累計3118万本という驚異の売上。たとえばこのうちの1割が『牧場物語』を購入したとしても300万本のヒット。『あつ森』にやや飽きてきたユーザーが、今回の『牧場物語』に興味を示す可能性は十分に考えられます。
あつまれ どうぶつの森

3000万本を超えても売れ続ける『あつまれ どうぶつの森』

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新作『牧場物語』と『あつ森』の相違点
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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