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リビングには必ずラグを敷くべき理由。「家のホコリはどこへいく?」

「ホコリ対策にラグは必ず敷いておく」がセオリー

「リビングにラグが絶対に必要な理由は、空気中に舞っているホコリを吸着してくれるからです。もしラグがなければホコリは行き場所を失って部屋中を9時間も舞い続けます。当然、その間に人間が吸っても仕方ありません。しかし、ラグがあればホコリを吸着してくれるので掃除機で吸えばいい。どちらが健康的なのかは言わずもがなです」 ラグやカーペットがホコリを舞い上げるのはあくまで印象であり、どうやら間違いらしい。 「日本ではかつて1980年代に『カーペットなどの敷きものがアレルギーの原因』と誤解されて報道された時代があり、そこから一気にフローリングの床が浸透しましたが、ホコリに関していえば、むしろ、フローリングをはじめとした硬い床材のほうが舞いやすい。そういう歴史を知らないから、いまだにラグやカーペットはアレルギーの原因になると勘違いをしてしまうのです」 一方、シミや汚れが付くからイヤだ、という声もよく聞く。防ぐ方法はあるのか。 ラグ03「ラグのなかでシミや汚れが付くのは、簡単に言ってしまえば『悪いラグだから』。品質のよいものであれば、そんなことはありません。あとは毛の色が複数のものを選ぶこと。単色のものに比べて、シミや汚れが目立たないものが多いからです」 どうせ汚れてしまうのだからと安価なものを選ぶのではなく、きちんとした商品を選ぶことだ。 「ひとつ、僕が購入してほしい商品を挙げるなら、ドイツの『JAB』。ちょっとお高めですが、その分、足の踏み心地は最高だし、目もしっかり詰まっている。しかも、普通のラグは毛がボンド接着なのですが、JABは引っ張っても抜けないように、細かく縫ってあります。これはいいですよ」 たかがラグ、されどラグ。リビングの印象を決めるアイテムのひとつだけに、こだわりたいところだ。 〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた

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