更新日:2022年01月31日 20:40
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コロナ失策は「第2の敗戦」だ。小林よしのり×石破 茂が緊急対談

政治家の存在意義はどこに

ゴー宣石破:負ける戦はしないと判断したなら、ある意味、正しい(笑)。私も、コロナを過剰に恐れる日本の現状はおかしいと思っています。ダイヤモンドプリンセス号でクラスターが発生した昨年2月に、BSの番組で「感染を防ぐことよりも、重症化や死亡を防ぐことに集中すべき」と言いました。ただ、小林さんと同様、こういうことを言うとテレビからあまりお呼びがかからなくなるようです(苦笑)。 小林:確かに(苦笑)。メディアも問題だが、なぜ国会議員はこんなにひどいのか? 「新型コロナは、インフルエンザより感染力も毒性も遥かに低い」いう科学的事実には目もくれず、ワイドショーに阿(おもね)ったような上っ面のコロナ対策に興じているだけじゃないか! 西村康稔・経済再生担当相や田村憲久・厚労相などは、完全に“コロナ脳”だよ。 石破:田村さんは厚労行政に精通しているし、判断も正確。言うべきことも言っています。ただ、閣内不一致になってしまうので、内閣の方針に大きく異を唱えるようなことはできないでしょう。 小林:世論に阿るだけなら、政治家の存在意義などないに等しい。コロナ禍の日本では、分科会が行政を執行すればいい。今も、菅首相は尾身会長の意見に引っ張られ、緊急事態を宣言すると内閣支持率が回復し、五輪を開催すると言えば下落……こんなことを繰り返していたら、国家は崩壊するぞ。

五輪について国民の前できっちり説明を

石破:政治家は誰しも支持率を気にするものだし、内閣を率いる首相ならなおさらそうでしょう。しかし、’89年、消費税を導入しようとしていた竹下登内閣は、「天下の悪税」などと世間から反発され、支持率を大きく落としていた。それでも竹下さんは「絶対に消費税はやる」「誰も聞かないなら、自分が街頭に出る!」とおっしゃって、本当に実行されました。そして、大逆風のなか、自らの内閣の総辞職と引き換えに消費税導入をやり遂げた。こうした矜持が政治家には必要ではないでしょうか。 小林:菅義偉首相もメディアの前できちんと説明すれば、コロナ禍でも五輪は開催できるはず。コロナで子供の死者はゼロで、若者も4人しか死んでいない。しかも、超過死亡は減っている。コロナの感染拡大以降、子供は1年以上もマスクの着用を強いられ、自由に外で遊ぶこともできず、精神を害する子さえいる。「そんな子供たちに五輪を開催し、夢を見せてあげましょう」……こう開催する理由を説明すれば、賛同者はもっと増えるでしょう。五輪を開催するのは、あくまでも子供たちのためだ。 石破:’64の東京五輪は、私は小学2年生でしたが、鮮明に覚えています。「エチオピアという国があるんだ!」「マラソンを裸足で走っている!?」「柔道ってオランダでもやっているんだ!」……世界にはいろいろな国や人がいることを、五輪が教えてくれました。  特に印象的だったのは、閉会式です。整然と行われる開会式に対して、肩を組んだり、踊ったり、とにかくみんな楽しそうで、五輪は単なる世界的競技大会ではなく、4年に一度、国や人種、政治体制を乗り越えて、世界が一つになる祝祭だと、子供ながら皮膚感覚で理解したのです。  現在のように、五輪の放映料や経済損失といった本筋から外れた話ではなく、本質的な五輪の意義を首相自らが訴えられれば、世論も変わるのではないでしょうか。
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