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不用品交換サイトなのになぜ?「ジモティー」に集まる孤独な人々

今年2月、内閣官房に孤独・孤立対策室が設置されるなど、今や大きな社会問題となった日本人の「孤独問題」。浮き彫りになった“望まない孤独”の正体とは?

なぜ不用品交換サイトに集合?孤独な人のコミュニティ形成術

孤独

写真はイメージです

 家族や友人も頼れない孤独な人たちが寄り添い、コミュニティを形成しているケースもある。 「たとえ対面でなくても、なんとなく生きづらいと思う気持ちを共有して、人と繫がりをつくることが大切です。私自身も機能不全家庭に育ち、自助会に参加したとき、うまく話せない経験がありました。私のような内向的な人でも発言がしやすい場所が必要だと思ったんです」  そう語るのは「ニッポン生きづらサミット」代表の相楽暁氏。  生きづらサミットは「BAND」というグループコミュニケーションアプリの中で展開されているコミュニティだ。管理人である相楽氏が作った「毒親・機能不全家族」「雑談」などのトークルーム内でチャットを行うことで、参加者は同じ悩みを抱えた人との「繫がり」を得られる。 「自分がなぜ苦しいのか、原因がわからないことも多い。自助会のように一つのテーマに絞るのではなく、好きな話題を選んでいつでも気軽に投稿できるようにしています。基本的にチャットのやりとりですが『コロナで人と会えず2か月くらい人と話してないので、誰か電話でトークしませんか?』と投稿した人もいて、相手に嫌な思いをさせなければ関わりを発展させるのは自由です。  変わったものだと、しりとりのグループというのもあります。難しいことを考えなくても会話できるので好評です。孤独や生きづらさを癒やすためには、コミュニケーションのハードルを下げることが重要だと考えています」

約半数が「ジモティー」経由

 そもそも生きづらサミットの参加者はどうやってこの場を知るのか。相楽氏に聞くと、約半数がジモティーで知り合ったという。  利用者同士が不用品の譲渡や売買をできるアプリとしておなじみのジモティーだが、「孤独」と検索すると無数の「孤独な人集まれ」といった投稿が表示される。登録者の地域を限定できるので、近場でのコミュニティを探すアプリとしても重宝されているのだ。
孤独

無料掲示板「ジモティー」にはメンバー募集のカテゴリーがあり、友人づくりの場になっている。「孤独」で検索すると1608件がヒットした

 埼玉県在住の佳織さん(仮名)もジモティーでコミュニティに出合った一人。 「昨年から、離婚がきっかけで子供とも離れ離れになり、強い孤独感を抱いていました。そんなとき、以前ジモティーを利用した際にメンバー募集というカテゴリーがあったことを思い出したんです。『毒親』『孤独』など、自分が共有したい悩みを検索して、見つけたのが相楽さんの投稿でした」
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コミュニティや人の見極めは大切
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