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音楽CDを「捨てたくない」ワケ。サブスクが便利なのはわかってるけど

CDとサブスク「どっちが音質いい?」問題

Collection of music

Photo/pixta

 ところで、CDを捨てるか捨てないかと悩むときに、音楽好きのロスジェネ達がふと考えることの一つに、「音質」があると思います。これはアナログの質感豊かなレコードから、デジタルで高精細なサウンドのCDへの過渡期にも起こったもので、そっくりそのまま「CDとサブスクって、どっちが音質いいんだろう?」という疑問にすり替わるわけです。  なかでも物議を醸すのは「サブスク未解禁アーティスト」の存在。たとえば大物だとサザンオールスターズが2019年末にようやくサブスク解禁となり、大きな話題になりました。他にもB’zや米津玄師といった、音に対してうるさい(というイメージの強い)アーティスト達がなかなか解禁しなかったことからも、そうした疑い(?)は強まるばかりです。2021年には故・大滝詠一のナイアガラ・レーベルからの発表作がサブスク解禁となり、音楽ファンの「嬉しいようなちょっと残念なような複雑な心境」がありました。  こうした中、「最後の砦」となる音楽界の巨人・山下達郎の動向が気になるところですが、こちらは未だNO。さらにその理由がやはり「音質」ということはご本人も明言されています。「なんだ、達郎さんが言うならそういうことか」と不思議な安心を得ているCDコレクターの方々も多いのではないでしょうか。

CDとの付き合い方、3つのプラン

 音質の良し悪しはデータでみることができます。1秒間の情報量を数値化する「ビットレート」で比較します。サブスク代表のSpotifyとCDとの勝負はSpotify=320kpbs、CD=約1,411.2kpbs。ということで実にCDのほうが4倍以上の情報量!ちなみにAmazon musicやApple MUSICは256kpbs、LINE MUSICは320kpbsとのこと。ただしこうしたサブスクサービスもハイレゾ配信など高解像度の音源が次々追随。CDに追いつけ追い越せという勢いは止まらない感じもします。  CDを未来に持っていくか否か。日本の住宅事情を鑑みると悩ましい問題ですが、前述の通り想い出たっぷりで音質も高精細なCDをみすみす全て手放すのはどうでしょう。うまく時代に寄り添って、ハイブリッドにどちらも楽しむのはいかがでしょうか? ロスジェネ世代におすすめする、3つのスタイルです。 ①音質厳選型:絶対に譲れない、フェイバリットアーティスト、アルバムだけはCDで残すことで、自分の魂だけは継承!これは既にやっている方が多いかと思います。 ②マニアック使いこなし型:ヘヴィーなリスナーになると限定盤などくまなく揃えたくなるもの。通常版はサブスクで聴き、限定曲も聴けたりする貴重盤はCDで購入するなど、緻密に使いこなすのは、過渡期の今ならではかも。 ③ベスト10型:最近めっきり減ってしまった音楽のベスト10番組を個人的に復活!CDで自分なりのベストセレクションを揃えて悦に入るなんて楽しみ方はどうでしょう?CDジャケットを部屋に飾って眺めるのも良いかもしれません。  時代とともに、技術の進化・浸透とともに変遷する音楽の聴き方。どうかご家族の反発にもうまくご対応いただき、その時々の楽しみ方を見つけてくださればと考えます。 <文/ディスコ☆セリフ イラスト/押本逹希>
数々の雑誌を渡り歩き、幅広く文筆業に携わるライター・紺谷宏之(discot)と、企業の広告を中心にクリエイティブディレクターとして活動する森川俊(SERIFF)による不惑のライティングユニット。 森川俊 クリエイティブディレクター/プロデューサー、クリエイティブオフィス・SERIFFの共同CEO/ファウンダー。ブランディング、戦略、広告からPRまで、コミュニケーションにまつわるあれこれを生業とする。日々の活動は、seriff.co.jpや、@SERIFF_officialにて。 紺谷宏之 編集者/ライター/多摩ボーイ、クリエイティブファーム・株式会社discot 代表。商業誌を中心に編集・ライターとして活動する傍ら、近年は広告制作にも企画から携わる。今春、&Childrenに特化したクリエイティブラボ・C-labを創設。日々の活動はFacebookにて。
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