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横浜市長選の争点はカジノから一転。菅首相の全面支援は吉と出るか凶と出るか

小此木氏は「カジノ中止」以外は林市政の継承者!?

林市政をどう評価するか、そしてこれを継承していくのかどうかについても、候補者選びの重要なポイントになっていく

林市政をどう評価するか、そしてこれを継承していくのかどうかについても、候補者選びの重要なポイントになっていく

 そこで再び小此木氏を直撃した。 筆者:実質的に自公推薦とほぼ同じではないですか? 小此木:(自公推薦)プラス市民。 筆者:強力な布陣です。菅首相もタウン誌で全面支援を言っていました。 小此木:勝負は引き締めないと、どうなるのか分からない。自分のことしか分からないから。 「陣営が緩まない限り、当選の可能性は高い」と見ているような、余裕の“引き締め発言”だった。  しかし菅首相直系候補の弱点も見えてきた。4年前に自公の支援を受けた林市政と同様、ハコモノ土建市政の継承者であるということだ。他候補陣営が特に問題視しているのはカジノ誘致だけでなく、旧米軍施設跡地で計画されている「花博(2027年国際演芸博覧会)」と「新オペラ劇場」だが、林市長が進めてきた両事業に対して小此木氏は見直しを明言することはなかった。  花博については「これ、自民党として進めてきた(予定地は旧米軍上瀬谷通信施設の跡地の)瀬谷(米軍通信施設)跡地の話だよね」と、オペラ劇場については「しっかりと見てみないといけないが、いろいろ聞いて見ると、あまり人気がない」と答えた。  告示日にも小此木氏に同じ質問をぶつけたが、「(オペラ劇場の)現地をまだ見ていない」と、これらの問題についてはそれほど重要視してはいないようだった。  これに対して非自民系反カジノ候補の陣営は、「オペラ劇場計画は見直すべき」と訴えている。また、上瀬谷通信施設跡地で開かれる花博についても田中康夫氏は「『医療・保健』『消防・救急』統合型レスキュー拠点を建設」と提案。山中氏は「課題がないか精査し、十分な検討、体制で進めたいと思いま す」と市民からの質問に回答している。そのまま進めるのではなく見直しをするという慎重な立場だ。  そのため横浜市長選は、カジノ誘致以外のハコモノ土建市政イエスかノーかを問う“菅直系市政”審判選挙でもあるのだ。総選挙の前哨戦で、かつ菅政権の命運も左右しそうな横浜市長選から目が離せない。 文・写真/横田 一
ジャーナリスト。『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』

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