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「野党共闘」は自公の選挙協力を模範とせよ<慶大名誉教授・弁護士 小林節>

―[月刊日本]―

政権を目指さない政党はない

国会

写真はイメージです

「政党」とは、それぞれに同じ政治的主義・主張を持った人々の結社で、いずれも、政権を獲得してそれを用いて全国民の福利を増進させたいと願って活動している集団である。  例えば、自民党は、自由と民主主義(とはいえ、2012年改憲草案によれば明治憲法的な国家観)によって日本国を統治することで、日本国民の最大多数の最大幸福が実現すると考えて活動している政治結社である。また、公明党は、日蓮仏法を信ずる人々の政治結社で、法華経の精神に従って国を統治してこそ国家は平和裏に発展すると考えている人々の集団である。  私たち人間には、歴史の成果として、思想・良心の自由(憲法19条)と結社・表現の自由(21条)と参政権(15条)が等しく保障されているのだから、人々が、信条別に政党を結成して活動することは文字通り自由である。  だから、マルクス・エンゲルスによって確立された共産主義を指導原理とする政党を結成することも自由である。「新自由主義」と称して弱肉強食の資本主義が大手を振っている今日、私有財産の無統制な自己増殖による弱者に対する搾取のない平等な社会を目指す共産党には、今こそ価値があるのではないか。だから、当然に、共産党も政権入りを目指して活動しているし、それは、政党として当り前のことである。

「野党共闘」の模範は自公選挙協力

 小選挙区(1人区)を中心にした現行の衆議院選挙制度の下では、まず、与党側が候補者を1人に絞っている以上、野党側も1人に絞らない限り、始めから勝負にならない。  自公政権(特に安倍・菅政権)による権力の私物化・利権化の結果、国民大衆の生活は確実に悪化している。不誠実なコロナ対策、重税、福祉の切り下げ、労働法制の改悪等により、国民大衆の中には不満がうっ積している。しかし、過去6回の国政選挙で政権交代は起きていない。  それは、自公政権が支持されたというよりも、野党には期待できないから「どうせ選挙に行っても何も変わらない」と棄権する有権者が半数以上もいるからである。だから、支持率で50%にも満たない与党が選挙の結果では60%以上の絶対多数の議席を得てしまうのである。そして、「役に立たない野党」に対する期待はさらに遠退いて行く。  だから、菅政権が国民の信を失って瓦解した今こそ、野党は「自公に学んで」全ての小選挙区に「野党統一」の一本の旗を立てるべきである。
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「共産党異質論」について、立民は公開討論の場を設けよ
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月刊日本2021年10月号

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