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予約殺到したカップヌードル50周年記念「カップヌードルソーダ」は衝撃の味だった

芋焼酎、赤ワインで割ってみると……

カップヌードルソーダ

酒と一緒に飲めば……と言うわけで、焼酎で割ってみました。これはこれで旨し!

 日清食品が様々なアイデアを凝らして開発したソーダ、美味しくないなどと言うだけでは済ませない。アレンジして美味しくすることはできないだろうか。まずは「芋焼酎のカップヌードル ソーダ割り」を作ってみた。  イメージしていた通り、美味しいジンジャー割りが出来上がる。ある意味で臭さともいえる芋の風味を消すことなくジンジャーがバランスを整えていて飲みやすい。カップヌードルソーダの味が強いので、焼酎を濃いめにして作っても美味しく飲むことができる。
カップヌードルソーダ

チリトマトソースも赤玉で割れば、ソルティドッグのように飲めるはず……と言うわけで、こちらも割ってみました

 次に「ソーダで美味しい」と標榜するワイン飲料の「赤玉パンチ」をチリトマトソーダで割ってみる。真っ赤な赤玉パンチにチリトマトソーダを注ぐと、洒落たBARで出て来てもいいような、綺麗な乳白ピンクをした色のドリンクになったので、期待も高まる。
カップヌードルソーダ

チリトマトソースの赤玉割はなかなかオツな味に……

 飲んでみると、トマトとワインが持つブドウの果実っぽさが相まって美味しい。単独で飲むだ時は邪魔になっていたチリの辛味も、ソルティドッグの塩のように味を引き締める効果をもたらしていて、美味しさを引き立てている。このアレンジは成功と言っていいだろう。 「もしかするとこれは、赤玉パンチの功績なのか」とも思ったが、静かにその気持ちは心の奥に隠した。  なお「カレーヌードル ソーダ」も、焼酎や赤玉パンチを合わせてみたり、レモン果汁を入れてみたりしたが、「爪痕を残そう」という意思を感じるほどにカレーの味が強く、筆者のアイデアで救うことはできなかった。

日清はなぜこんなに”攻める”のか

 今回のソーダシリーズ同様、日清はかなり”攻めた”戦略をとることでも知られる。カップヌードルに入っている肉の俗称だった「謎肉」を商品名に冠してみたり、エッジの効いたテレビCMが話題になることも多い。 そのことについて、日清食品社長 安藤徳隆氏は次のように話す。 「各部署からいろんなアイデアが出てくるんですけど、”面白いからやっちゃえ”と言ってあげるのが社長の仕事」
カップヌードルソーダ

味はともかく「楽しい!」と思えたことは間違いがない。ネタとしては最高の一本である

 また「食品会社なので安心・安全は絶対。そのうえで、楽しくなくてはいけない」とも語った。確かに、このソーダを飲んだ人はどうしても誰かに話したくなり、そこに楽しさが生まれている。  この精神は、現社長の祖父であり日清食品創業者の安藤百福から受け継いでいるといってもいいだろう。百福は「時代の変化に対応するのではなく、変化を作り出せ」という想いのもと「人のやらないことをやれ」と社員たちに檄をとばしたという。  それは何も、今でいう”炎上”をさせろということではなく、日清食品の社是の一つにもなっている「食足世平(食が足りてこそ世の中が平和になる)」に基づいたものだ。  百福は「深決速行(深く考え行動はすばやく)」をモットーとしていたと現社長はいう。今後も、そうした理念から生まれる日清食品の奇抜な商品に期待したい。ただ、できればすべて美味しいものにしていただけるとありがたい。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます 取材・文/Mr.tsubaking
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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