更新日:2021年10月31日 18:27
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共産党は暴力革命を否定。本気で実力闘争を目指す中核派は? 若手活動家に聞いた

実力闘争したいと連絡してくる若者

中核派

法政大学でのデモ前の演説。マイクを握るのは法大文化連盟・武田雄飛丸の委員長

 彼らが、そのことを強く感じたのが、今年夏の反五輪闘争の経験だ。つい先日、全学連委員長に就任した赤嶺知晃さん(沖縄大)は語る 「五輪関連の行動では、デモに飛び入り参加する人も多かったですし、ヘルメットを被っている参加者もたくさんいて、実力闘争の盛り上がりを感じる出来事でした。  ヘルメットは特に組織的に被ることを決めたわけではなかったのですが、若手は『これを被って反五輪闘争をやりたかったんできました』という人も多かったんです。  YouTube配信では万単位の視聴者がいましたし、かなり無責任ですけど『中核派にもっと暴れて欲しい』という意見もたくさん届きました。いまコロナで追い詰められている中で実力闘争を期待している人は増えているのんじゃないかと思います」  とりわけ赤嶺さんは普段の活動の中で、変化を感じるという。 「リモート授業が増えたために、キャンパスで学生と話し合う機会が減っていることもあるんですが、ネットを通じて活動に興味を持っている人と話し合う機会は増えています。  そうした連絡をくれる人の多くは最初から『デモに参加したい』とか『実力闘争』をしたいといって連絡してくるんです。これまでの、まずは学習会を開いて……という感じじゃないんですよね」

暴力革命はもはやリアリティのある問題になっている

公安警察

中核派のデモを取り巻く公安警察

 口頭で「暴力革命」を口にするのは容易い。実際、これまでの歴史の中で「革命」と呼ばれる出来事は多くの血が流れることとイコールである。そうした「革命」は必然であり、既に始まっていることだと、石田さんは語る。 「暴力革命は必要であり必然でしょう。資本主義社会において、資本家階級は労働者を搾取することによってしか利益が得られないわけじゃないですか。いつの時代でも、矛盾が生じたからといって支配階級が『支配を止めます』ということはありません。  むしろ、追い詰められるほどに、圧政を曳いてきてわけです。それを打ち破っていくためには暴力革命。最終的には、力と力のぶつかり合いになるのは必然でしょう。  ちょっと世界をみれば、香港やミャンマー、アメリカですらトランプを支持する右派が議会を占拠したり、BLM運動が警察署を燃やしている。現実はどんどん進んでいると思っています」
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本当に暴力を行使できるのか?
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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