更新日:2021年10月31日 18:27
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共産党は暴力革命を否定。本気で実力闘争を目指す中核派は? 若手活動家に聞いた

この世に存在しないほうがいい人間がいる

中核派

最近では拠点である前進社がメディアに登場する機会も多い。写真は以前、本誌にて齋藤 郁真さん(当時、全学連委員長)を取材した時のもの

 ただ、ここでどうしても考えてしまうのは頭で「暴力革命は必然」だと理解しても、いざ革命が始まった時に暴力を行使できるかという点である。 「自分は広島出身だったこともあって、もともと平和主義でした。ですから、革命のためだからと人を殺めるのはどうなのだろうと、思っていたこともありました。  でも、法大闘争などの闘いに参加する過程で大学職員や教授、公安警察たちが、権力を笠に着て嬉しそうに超法規的な弾圧をしてくる姿を見て、『あぁ、この世には存在しないほうがいい人間もいるんだな』と考えるようになりました。  ただ彼らなりの正義が存在していると思うんですよね、全く違う価値観に基づいた正義感が。実際、そういう人間と話し合いは成立しないですし、デモをはじめ様々な現場で日常的に対峙する関係にあります。ですので『いざとなったらやってやる』という気持ちはあります」

力があれば五輪会場に突入して中止に追い込めた

公安警察

前進社の中に入ると、デモに来た公安警察の顔写真と名前が張り出されている

 いまはまだ血を流す段階ではないが、話の通じない相手に実力で対抗するという選択は成功も生んでいると彼らは声高に叫ぶ。 「五輪開会式で、メディアも開会式の最中に抗議行動の声が聞こえてくることに触れざるを得なかった。ああいった形で開会式を台無しにするということは実力闘争を追求していなくてはできなかった。  もちろん、もっとボクらに力があれば会場に突入して、開会式そのものを中止に追い込むこともできた。現状そこまでの力がなかったのは認めざるを得ませんが、『力を持てば、現状を変えることができる』という可能性を示すことができたと考えています」 「暴力革命」が世間のから支持される選択肢になることは、果たしてあるのだろうか。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます 文/昼間たかし
ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』
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