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朝番組「ラヴィット!」ついに1.1%。ひとり負けの現状をなんとかする秘策

 4月から民放4局で放送されている朝の情報番組が激変した。  現在は、テレビ朝日の「羽鳥慎一 モーニングショー」のひとり勝ち状態だ。  各局の番組が新しくなった初回の視聴率はテレビ朝日「羽鳥慎一 モーニングショー」が10.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。前4週間平均は10.2%)、日本テレビ「スッキリ!」が8.8%(同7.8%)、番組が新しくなったフジテレビ「めざまし8」が6・2%(同5・9%)とどの番組も視聴率を上げた。そして、TBS「ラヴィット」だけが、2.7%(同3.5%)と下げてしまった。しかし、まだこれはいい数字だった。
ラヴィット!

TBS「ラヴィット!」公式サイトより

谷原章介「めざまし8」の新戦略

 4月の改編ではテレビ朝日以外は大きな変更があった。2番手の日本テレビ「スッキリ!」は16年続く長寿番組だが、メインMCの極楽とんぼの加藤浩次は残したまま、それ以外の近藤春菜などのMC陣を大きく刷新、コメンテーターの顔ぶれを増強した。  フジテレビは番組を「とくダネ!」から「めざまし8」へと変えた。  これは、朝6時から7時台の民放朝のニュース番組で視聴率が2018年から3年連続トップの「めざましテレビ」を意識しているのだろう。新MCは俳優の谷原章介。  ご存知のように「王様のブランチ」や「パネルクイズ アタック25」などで実績があり、その司会ぶりは高く評価されている。そして、3月まで「めざましテレビ」のメインキャスターだったフジテレビアナウンサーの永島優美とタッグを組ませた。
めざまし8

フジテレビ「めざまし8」公式サイト

 さらに、番組の冒頭は「めざましテレビ」がそのまま続いていると思わせる仕様だ。「めざましテレビ」と同じようにジャンルごとのニュース項目のランキングを背景にMCが主なニュースを短くポイントを絞って取り上げる、出勤前の社会人を意識した7時台のニュース番組作りの手法である。  高視聴率の「めざましテレビ」の空気を壊さず、視聴層をそのまま取り込み、落ち着いたところで徐々にワイドショーの空気に変えていくやり方だ。  名MC小倉智明が22年間続けた「とくダネ!」が、7時台までの「めざましテレビ」の空気をガラリと変える冒頭トークで番組を始めていたのと対照的だ。

ひとり勝ち「モーニングショー」はコメンテーターを変更

 テレビ朝日の「羽鳥慎一 モーニングショー」もコメンテーターの刷新はあった。  長年、権力に対して批判的なコメントをし続けたジャーナリストの青木理と作家の吉永みちこを降板させ、テレビではほぼ新人の若手コメンテーターに変えた。
モーニングショー

テレビ朝日「モーニングショー」公式サイト

 ほかの民放がテレビではすでに顔なじみを中心にキャスティングしているのと比較すると、大胆な布陣で番組の自信の現れとも言える。  玉川徹がコメンテーターとして連日出演するようになって番組は安泰となった。今や「羽鳥慎一&玉川徹 モーニングショー」と言っていい。  番組は一貫している。政治的な話題、例えば、桜を見る会、森友学園、加計学園だけにとどまらず政権の不祥事を常に批判的に取り上げ続け、昨年2月に新型コロナウィルス問題が発覚すると連日に渡って政策の問題点を番組の大半を使って深掘りしてきた。  こうして、一時は視聴率が13-14%台を叩き出す驚異のひとり勝ち状態になった。さらにこの1年は、主に2人の出演者によるところが大きい。それは、テレビ朝日社員でもある玉川徹と、今やワタナベプロ所属の文化人タレントにもなった、白鴎大学教授の岡田晴恵の連日の出演だった。  番組は政権を擁護する出演者にも十分発言させながら制作された。政権を擁護する出演者が発言するからこそ、その逆の発言も十分できるという構造になっている。その役割が玉川徹であり、見ていて確かに面白い。
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なんと1.1%を記録した「ラヴィット!」
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経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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