更新日:2017年12月27日 19:50
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8人が命を落とした日本で最初の大規模な爆破テロ「三菱重工爆破事件」【大量殺人事件の系譜】

 2020年の東京五輪・パラリンピックまで3年あまり。国内ではテロに対する警戒と警備の強化が図られているが、日本で最初の大規模な爆破テロが起こったのは、1974年夏のことだった。8人が命を落とし、重軽傷者は400人近く、白昼の都心が狙われた無差別テロである。
三菱重工業

事件現場となった三菱重工業東京本社ビル

三菱重工爆破事件(1974年)大量殺人事件の系譜~第13回~

 日本の金融、経済の中心地・丸の内。1974年8月30日、午後0時45分、三菱重工東京本社1階で時限爆弾が爆発した。  昼休み中で人の出入りが多かったエントランスは大破、天井が抜け、窓ガラスは9階まで吹き飛んだ。周囲1キロ四方のビルや街路樹、通行人にも大きな被害がおよび、空からガラスの破片が雨のように降ってきた。人がバタバタと倒れていく。阿鼻叫喚と化した現場は、戦場の様相を呈していた。  実は爆発の数分前に、三菱重工本社に男の声で犯行を予告する次のような電話が入っていた。 <本社前の道路に時限爆弾を2個仕掛けた。付近の者は、ただちに避難するように。これは冗談ではない>  予告電話の前に2回、同様の電話がかかっていたが、この2回ともイタズラ電話と受取られてしまった。上記の3回目の予告を三菱重工側が聞いたのは爆発の3~4分前で、事実関係を確認中に大惨事となってしまったのだ。このことが、被害をより大きなものとなった原因とされている。
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この爆弾テロを起こしたのは武闘派左翼
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