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公営競技の1点勝負は得か損か。コロナ禍で変わりゆく1番人気の期待値を解析

締切時刻の変更が影響を与えた!?

 こうなった原因はネット投票の拡大に加え、2020年3月からネット投票の締切時刻が本場発売1分前より同時刻に変更となり、ネットでもギリギリまで買えるようになった点も大きく絡んでいる。そのため、締切ギリギリまでオッズを見極めて投票しようとしても、締め切ってみたら大きくオッズが下がるようになったのである。 「このオッズなら人気でもいける」と思った人気目が締切後にみるとオッズが急落しているのである。なぜなら「みんな」そう思っているからだ。もちろん、当てることが大事ではあるものの、1番人気の目に関してだけいえば「想定より割がよい」と感じるオッズで、ある程度の下落を見越して投票しないといけないだろう。  ただ逆にいえば、穴目のオッズは緩くなっているということ。全体の払戻総額は変わらないので、ギリギリまでネット投票する人が増えたからこそ、裏をかく勝負の効率が上がったと考えていきたいところだ。

すでにネット投票が普及していたJRAは変わらず

 ちなみにJRAでの単勝も同様にチェックしたが、1番人気の単勝はコロナ禍前後を比較しても約78%で安定していた。ネット投票比率が急上昇したボートレースとは違い、JRAはすでにコロナ前でも高かったため、すでにこの水準で変わらないのだろう。  また、オートレースや競輪、地方競馬など、民間投票サイトが認められている公営競技での傾向も見たいところだが、公開データベースが存在していないため正確な数字を示すことはできないが、こちらは民間投票サイトによる様々なキャンペーンの影響によって人気どころのオッズが下がりやすくなっている「別の理由」で、オッズの付き方が変わっているという点がある。  売り方が変化してきている近年の公営競技だが、それはオッズにも現れている。楽しむうえで影響を知っておくのもよいのではないだろうか。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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