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「戦争は非常に“さびしい”ですね」ロシア総領事がもらした精一杯の言葉

来年は総領事館の庭の桜で花見ができるとええねえ

在大阪ロシア総領事館(大阪府豊中市)

在大阪ロシア総領事館(大阪府豊中市)

 面談の後、木村市議に感想を尋ねた。 「あんなもんかなあ。政府見解を長々聞かされたよね。でも『戦争はさびしい』というのは少し誠意を感じたかな。申し入れ書もモスクワに送ると言ってたし。まさかプーチン大統領本人に渡ることはないだろうけど」  そして最後に苦笑しながら付け加えた。 「来年は総領事館の庭の桜で花見ができるとええねえ。でも、その時は呼び方を考えんと。『桜を見る会』は、やっぱあかんよね……」  日本も他国のことばかり言えた義理ではない。80年前の戦争はもちろんだが、近年でも安倍元首相の「桜を見る会」、それに財務省の森友公文書改ざんも、「してはあかん」という簡単なことが、なぜわからないのだろう。ロシアに即時停戦を求めるとともに、私たち自身のことを振り返らなければならない。 文・写真/相澤冬樹
無所属記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『真実をつかむ 調べて聞いて書く技術』(角川新書)『メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』(文春文庫)、共著書に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(文藝春秋)など
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