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「ウクライナ侵攻」が加速させた、世界の分断と先鋭化

加速する分断と先鋭化。そしてそれを煽るもの

 世界の武装化と危険の状況をモニターしているArmed Conflict Location and Event Data Project( ACLED)は、2021年1月の暴動の可能性を事前に検知して警告を発していた。そして、2022年5月3日にアメリカ中間選挙に先立って、反主流派の武装化と暴力的イベントについて警告するレポートを公開した。2021年の議事堂襲撃の暴動でもわかるように、アメリカ国内は深刻な危機に直面している。  アメリカ以外の国々にもこうした反主流派のグループは広がりを見せており、日本も例外ではない。  ウクライナ侵攻は、世界にくすぶっていたグローバルノースとグローバルサウスの対立を際立たせた。そして、同時に、ロシアは反主流派のグループを支援し、ロシア擁護の論調を煽った。この実態と仕組みについては、前掲書で言及したのでここでは触れないが、それらは今後の世界に大きく影を落とすことになるだろう。  今後の世界の趨勢はいったいどうなっていくのだろうか。 <文/一田和樹>
小説家及びサイバーセキュリティの専門家、明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員。I T 企業の経営を経て、2 0 1 1 年にカナダの永住権を取得。同時に小説家としてデビュー。サイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表している。『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『新しい世界を生きるためのサイバー社会用語集』(原書房)など著作多数
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ウクライナ侵攻と情報戦

海外研究機関の各種報告から読み解く、現代の情報戦最前線と民主主義の危機とは?

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