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「日本で生きたい」9年後に突然ビザを奪われたクルド人家族の訴え

帰国を決意し、トルコの空港に着いたとたんに逮捕

 トゥンチュさんは、日本で3か月のビザをもらって更新を続けることができたが、4年目に難民申請が通らなかったことを理由に更新が認められず、オーバーステイとなってしまった。その後、警察に捕まって東京入管に移送された。収容施設に閉じ込められた生活は非常に厳しく、1週間で泣く泣く帰国を決意した。  ところが、トルコの空港に着くとすぐに警察に逮捕されてしまった。「分離独立運動の組織の仲間だから逃げたのだろう」と疑いをかけられ、4日間の取り調べを受けた。身内が保釈金を払ってくれてなんとか解放され、故郷のガジアンテップまで戻ることができたが、今まで以上にジャンダルマに見張られ、事務所にたびたび呼び出されて尋問を受ける生活が続いた。  トルコに戻って8年の月日が過ぎ、子供は6人になっていた。夜は出歩けないほど治安が悪く、クルド人として差別を受け続ける生活。「ここで子供を育てたくない」と考えたトゥンチュさんは、悩んだ末に2度目の来日を2013年3月18日に果たした。  再び日本に行くことに何も不安を感じないわけではなかった。また入管に捕まる可能性もあるかもしれない。だが日本とトルコはビザ免除協定が結ばれているので、入国するのが簡単だった。ほかの国は容易にビザが取ることができないため、選択肢がなかった。

私たちだって人間だよ

ずっと更新を続けてきた東京入管で、突然ビザを切られた

ずっと更新を続けてきた東京入管で、突然ビザを切られた

 2度目の来日では無事に半年の特定活動ビザをもらい、それを更新し続けることができた。妻と6人の子供は、その半年後にトゥンチュさんの後を追って来日した。トゥンチュさんは住宅の基礎工事の仕事をして家族の生活を支えた。子供たちは学校に行き、馴染むまではいろいろとたいへんなこともあったが次第に日本の生活に慣れ親しみ、「学校は楽しい」と言うようになってきた。ところが2022年3月18日、トゥンチュさんが来日してから9年ちょうどで特定活動ビザが切れた。 「私は、ずっと税金も年金も支払ってきました。2歳で日本に来た子供は、いま12歳になっている。悪いことをしてもいないのに、9年経って今さらビザを切られて『難民申請の結果はダメでした。あなたはオーバーステイです。これから家族全員、子供も(入管の)許可なく(現住所の)埼玉から出ることができなくなります』と言われても納得ができない。帰国できない理由があるというのに……。私だって人間だよ。私の子供たちだって人間だよ。外国人だけど……」
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いまトルコに帰れば、また逮捕されてしまう
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