更新日:2022年08月02日 19:57
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「日本で生きたい」9年後に突然ビザを奪われたクルド人家族の訴え

日本初のクルド難民認定が追い風となるか

 クルド問題に詳しい、五反田法律事務所の田島浩弁護士に話を聞いてみた。 「ジャンダルマなどに見張られると言うのは、その人の立場や属性、地域による差があるのかもしれません。ただ過去、クルド人たちから受けた相談ではジャンダルマに尋問を受けた、実際に暴行をされたという話を聞いたことはあります」  この家族は日本に居続けることはできるのだろうか? いつか収容され、強制送還される日が来るかもしれない。  今年5月、札幌高裁は「帰国した場合、生命の危険が生じる可能性がある」としてトルコ国籍の20代クルド人男性の難民不認定処分を取り消す判決を言い渡し、国が上告を断念した。この判決を受けて、法務省は男性を難民と認定する方向で調整しているという。  このトルコ国籍クルド人の難民認定が叶えば、日本では初めてのこととなる。今後、トゥンチュさん家族やほかのクルド人たちも救われる可能性が出てくるかもしれない。しかし、どうなるのかはまだわからない。  この家族が日本に残ることに、いったい何の問題があるというのだろうか。政府は長年続いているクルド人迫害問題に目を向けて、一刻も早く救済の手を差し伸べてほしい。特に、子供たちの行く末が心配だ。 文・写真/織田朝日
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)、入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)

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