撮影中に被災…AV女優と制作スタッフたちの「3.11リアルドキュメントムービー」があった【電マライター・村橋ゴロー】
毎回、電マ旅で東京各地を“再発見”している当連載だが、今回は『3.11ドキュメントと化したAV』を電マライター・村橋ゴローが大発見。撮影中に被災してしまったAV女優と制作スタッフたち……。そこには様々な葛藤があったに違いない。テレビなどの大手メディアでは決して報じられることのない、真実のストーリーを紹介したい。
3.11、あの東日本大震災が起こってから3か月後ほどのある日。まだ電マ(電動ママチャリ)生活はおろか、子どもすら生まれていなかった俺はいつものようにツタヤに行き、AV5本千円パックをレンタルし、帰宅。その5本のなかに、『お願いっー!「私をマジックミラー号」に乗せて、メチャクチャに犯して!!』(SODクリエイト)があった。
さっそく、この『マジックミラー号』を観始めると、「MM号乗車希望者」のひとりとして、金崎あいという23歳の女性が登場してきた。ドライブがてらのインタビューから始まる。
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普通のOLをしていたというあいちゃんはやがて、住民税・健康保険・年金が払えなくなりキャバクラで働くようになったという。そして当時つきあっていたAV好きの彼氏の影響もあり、AV転身を遂げたのだ。そのことを彼に告げると、
「名を残すほど活躍するまでは辞めるなよ!」
と、反対するどころか逆にエールを送られたという。申し訳ないがA級美女とはいえない彼女は、そうAVへの決意を語った。彼氏ともどもその真面目さが、逆にもの悲しさを誘う。
さて都内から房総半島を目指すという彼女のエロ旅。フェリーで房総に着き、MM号へ。さあ、ことが始まらんとした瞬間だった。
「おお! 凄い揺れてる!」
「何だ、なんだ!」
と、スタッフが慌てている様が画面に映し出される。あいちゃんもまだ笑顔のままで「怖い」を連発している。そして
「2011年3月11日 某地震発生」
というテロップが。この日にちまで記しておいて「某」はねえだろ、とは思うが、この瞬間を境に、このDVDはエロを介した3.11ドキュメントの様相を呈す。それでもまだ、あいちゃんは「こういうドッキリじゃないんですかあ?」と、呑気だ。それは最初の大きな揺れに驚がくしたものの、東北の惨状をまだ知らなかったころの僕たちに似ている。しかし、ここは房総。
「津波、大丈夫かな?」
と危惧するスタッフの声が画面から聞こえる。
恐怖を感じたスタッフたちは、いったん外へ。そこでカメラがとらえていたのは、事態を飲み込めていない人たちが呆然と立ち尽くし、けたたましく鳴る警報の波だった。もはや、AVの画ではない。
それでもまだ撮影は続く。しつこく言うが、まだ房総パートの絡みが撮れていないからだ。車内に戻った一行は「こんなことやってる場合じゃない」という思いを隠し、仕事(絡み)に移る。
「ミラーオープン!!」
とここで、MM号の外壁が開きマジックミラー状態に……なるはずが、外壁が開かないという緊急事態に。
「地震の影響で通信が途絶え、外にいるスタッフと連絡が取れません。なので、ミラーオープンしません!」
この期に及んで、まだ笑顔のあいちゃんにこう説明する。隣にいる男優は、先ほどから顔が引きつりまくっている。そして一向に、もうひとつのトラブルが降りかかる。
「車のドアが開きません! 閉じ込められました!!」
正体不明の大地震に見舞われただけでなく、今度は何とMM号に閉じ込められてしまった一行。そんな二重の恐怖に襲われながら、完全密室となった車内でついに行為が始まった。ミラーオープンできていないのだから、もうMM号でも何でもない。ただ歴史的大災害の起こった日に、わざわざ危険な沿岸地域まで来てカーセックスしているだけだ。
それでもあいちゃんは軽く乳を愛撫されただけで、あえぎ声を漏らしている。この状況で。この緊迫するなか、あいちゃんの強さのみが救いだ。しかし行為が続くなか、観ているほうとしてはいつ余震がやってくるのではないか? とヒヤヒヤしてしまう。やがて、あいちゃんが男優の手ワザでKO寸前に。するとようやく外に出られない事実を把握したのか、あいちゃんはドアをドンドンと叩き「開けて! 開けて!」とパニック状態に。ここであいちゃんが、衝撃の告白。
「閉所恐怖症なの!」
お前、さっきまで濡れ濡れやったやんけー!!
電マライター・村橋ゴローの東京ぶらりんこ旅 【第5回】3.11ドキュメントと化したAV
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