更新日:2022年12月14日 09:17
エンタメ

脱毛症に悩んだ女性が“ウィッグ”で人生激変「ハゲても楽しく生きられる」

「私の武器はウィッグですね」

ハゲカノ「配信は毎日するものなので、視聴者を飽きさせないようにウィッグでコロコロと雰囲気を変えていました。ちょうどいいタイミングだと思って、“ここで言おう”と意を決して。  その頃になると、ウィッグをつけていない自分も嫌いじゃなくなっていたんです。毛の生え方がまだらな状態のときはあんまり好きじゃなかったんですが、ツルツルに剃ってみたら、海外のモデルさんみたいでカッコいいなって。それに隠しているのは自分で自分を否定しているようにも思えてきて」  テレビで打ち明けたあとは、思わぬ反響がたくさん届いた。 「じつは、視聴者にも同じ悩みを抱えている人が多かったみたいで。意外だったのが、いっしょに遊んでいる友達からも『私も悩んでいた時期がある』と言われて。脱毛症は、自分が思っていた以上に身近なテーマなのだと知りました」

彼氏と「ハゲップル」として活動開始、「誕生日バリカンデート」が話題に

ハゲップル

彼氏のハゲカレさん(左)と「ハゲップル」としても活動(提供写真)

 その後、17LIVEだけでなく、YouTubeやTikTokでも活動するようになったが、付き合っている彼氏と「ハゲップル」のアカウントを2021年2月につくり、ウィッグとスキンヘッドのギャップをネタに投稿。3月18日の誕生日、彼氏に頭を剃ってもらう動画「誕生日バリカンデート」で瞬く間に注目を集めた。 「三軒茶屋の『芸人BAR』で働いていた当時お笑い芸人だった彼に口説かれて。付き合うようになってから、日常生活の延長でいっしょに投稿するようになりました。ハゲカノを名乗るようになったのは、それからなんですよね。そして、彼氏はハゲカレ」  とはいえ、あえて“ハゲ”という言葉を含めることに抵抗はなかったのだろうか。 「昔は当然、“ハゲ”をネガティブに受け止めていました。ただ、高校生の頃から避けては通れない道だったし、最近はあまり意識もしなくなって。彼氏が“おハゲ”と呼ぶことがあるのですが、だんだんカワイイ言葉に思えてきたんです。ハゲてる彼女の略でハゲカノ。それがいちばんわかりやすくて気に入っています。  名前にハゲと付けた当初は、そこまで深く考えていたわけではありませんが、かつての自分がそうだったように、いま悩んでいる最中の人たちから『励まされた』『勇気づけられた』とメッセージが届いたんです。改めてハッとして。  後付けではありますが、“ハゲても明るく楽しく生きられると伝えたい”と思うようになりました」
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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