“東大8年生”が断言する「間違いなく居心地がいい国」。治安は悪いかもしれないけど
東京大学を8年かけて卒業し、現在は国際舞台での活躍を志すプロサッカー選手を中心に、語学やリベラルアーツを教えている、タカサカモトさん(@grantottorino)。
遠藤航選手や原口元気選手などからの信頼も集める彼の新刊『東大8年生 自分時間の歩き方』(徳間書店)が話題だ。
鳥取の田舎から上京したものの都会生活になじめず悩んだサカモトさんは、東大の授業で運命的に出会った恩師に背中を押される形で世の中を放浪し4か国語を使い込こなすまでになる。今回は東大を休学して彼がメキシコに暮らしたときのことについて紹介する(以下、同書より一部抜粋)。
「メキシコってどんな国なの?」と尋ねられるたびに、返答に困る自分がいる。
帰国して10年以上が経った現在も最適解を探しているけれど、「治安は悪いけど、居心地の良い国だよ」と答えることが多い。一般的に考えて、治安の悪い場所の住み心地が良いわけはないので、矛盾を抱えた変な回答だと自分でも思う。でも、その矛盾も含めて自分の感覚にはしっくりくる表現でもある。
まず、治安が良いか悪いかは、必ずといっていいほど聞かれるので、最初に言っておく必要がある。一般論として、日本と比べたら、そりゃ治安は悪い。
メキシコで1年暮らして帰国したあと、街を行く人々の様子を久々に眺めて最初に感じたことの1つが、「メキシコの泥棒には天国みたいな国だな」というものだった。
周囲を警戒する様子もなく歩くみなさんのズボンの後ろのポケットから顔をのぞかせる数多の長財布や、不用意に手を離して置かれる貴重品の数々など、向こうの“プロ”が1日真剣に仕事をすれば、少なくとも半年は遊んで暮らせるんじゃないかというくらい、日本は「緩い」と感じている自分がいた。
これは決して悪い意味ではなく、むしろ、基本的にはきわめて良いことだ。お互いの良識を信頼し合っているからこそ成立していることで、さすが、「水と安全はタダ」なんてフレーズが生まれた国だと、自国の良い意味での特殊さを再認識して恐れ入ったのを覚えている。
極悪人から天使までいる国
メキシコの泥棒には「天国」みたいな日本
フットリンガル代表。1985年4月12日、鳥取県生まれ。東京大学文学部卒業。田舎から東大に進学後、人生に迷う。大学の恩師の助言で自分に素直に生きた結果、メキシコでタコス屋見習い、鳥取で学び場づくり、ブラジルの名門サッカークラブ広報、ネイマール選手の通訳などを経験。Twitter:@grantottorino Instagram:@takafotos
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『東大8年生 自分時間の歩き方』 自分の目で見て、自分の心で感じて、自分の頭で考える |
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