「夜だけ営業する」歌舞伎町の人気ケーキ店。夜の住人がリピートし続ける理由
新宿・歌舞伎町の一角に、一風変わったコンセプトで人気を博している洋菓子店がある。その名も「夜のケーキ屋さん」だ。
夜間に特化して営業しており、営業時間は19:00~25:00である。歌舞伎町のど真ん中に位置しているため、キャバクラやスナック、ホストクラブからの支持はもちろんのこと、なかにはお忍びでケーキを買いにくるセレブや芸能人の姿も。
目玉商品は「オーダーケーキ」という、顧客がケーキのサイズ・形・デザイン・色などを自分好みに注文できるケーキだ。
そのクオリティの高さは、オーナーのjuliさん(@juli_sasa)のInstagramを観れば一目瞭然。1人1人の要望に対して真摯に応え続け、日夜個性的なケーキを生み出している。
夜の街を陰ながら支える“唯一無二の職人”とも言える彼女に、お店を始めた経緯や仕事に対する思いを語ってもらった。
juliさんはかつて某有名フルーツパーラーで働いており、フルーツに囲まれた職場が大好きだった。しかし、彼女は「フルーツアレルギー」を患っており、症状は次第に深刻化していった。
「酷い時には、スイカを切った厨房の空気を吸い込むだけで呼吸が出来なくなるほどでした……。ただ、この仕事が本当に好きだったので、厨房からホールに移動するなどの工夫を重ねてなんとか働いていました。ただ、最終的にはそれでも限界が訪れ、退職を決断せざるを得ませんでした」
転職活動もしてみたが、フルーツアレルギーは大きなハンデとなる。前職と同形態の店への再就職は困難を極めた。そこで彼女が思いついたのは「自分の店を持つこと」だった。
「使用する食材や調理環境も自分に合わせて選ぶことができるので、なんとかこの仕事に携わっていけるんじゃないかなと」
juliさんは15歳で家を出て以来、生活の拠点を新宿に置き続けている。
「青春時代を歌舞伎町で過ごしました。今で言う、『トー横キッズ』ですね(笑)。昔から偏見のない街で多様性が認められている場所です。深夜でも街全体が明るく、人もたくさんいるので『怖い』みたいなイメージは全くなかったです」
自身の職務経験や、“眠らない街”歌舞伎町の特徴を活かした「夜間に営業するフルーツ盛りのお店」を開くことを決めた。
退職後に「自分の店を持つこと」を決意
15歳から新宿で生活
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