初の“風俗転職フェア”も開催。嬢でなく総合職などを求人する風俗ベンチャー化の波
一度に各社の採用担当者から話を聞くことができる転職フェアは、求職者と企業側の双方にとって大きなメリットがある。こうしたフェアは、ほぼ毎週のように各地で行われており、特定の業種・業界に特化したものの開催も増えている。
5月18日、これまで転職イベントとは無縁だった風俗業界でも初となる「風俗転職フェア」を東京・品川で開催する。ただし、募集するのは風俗嬢ではない。店舗や運営会社で働く従業員だ。
そこで同フェアを主催する風俗求人サイト「FENIX JOB」のプロジェクトマネージャー、新海亨氏を直撃。イベントを開催しようと思った経緯、大きな変化を迎えている風俗業界の求人事情について語ってもらった。
サイトを見れば分かるが、そもそも「FENIX JOB」は「風俗」という2文字さえなければ、一般の転職サイトと何ら変わらないデザインだ。
「2016年の春にサイトを立ち上げたのですが、風俗って中身が見えづらい業界だと思うんです。以前は運営スタッフの求人広告にも“稼げる!”といった景気のいい言葉ばかりが並び、仕事の内容については詳しく書かれていませんでした。でも、これだと情報が少なすぎて優秀な人材が集まりにくい。そこで一般の転職サイトの感覚で作ったのが、FENIX JOBだったんです」
新海氏も前職はハウスメーカーの営業担当で、風俗業界出身者ではない。今回の風俗転職フェアは同サイトの立ち上げ時から構想していたことで、3年の月日を経てようやく開催に至ったという。
「転職フェア自体は今どき珍しいものではありません。ですが、風俗業界ではこれまでに一度も行われていなかった。それはすごくもったいないことだと思ったんです」
実は、風俗業界でも近年は業界再編が進み、業績を伸ばしているのは多店舗展開を行う大手グループだ。しかも、こうした運営会社の多くは、本部スタッフは基本的にスーツ着用。企画・マーケティングや財務・経理などを専門に行う部署もあり、職場での仕事風景も一般企業のサラリーマンと変わらないとか。
FENIX JOBの兄弟サイト「FENIX ZINE」では、各運営会社トップのインタビュー記事も掲載。普通の求人サイトでは特に珍しいものではないが、風俗業界ではこれも異例のこと。若いころ、夕刊紙で風俗記者をしていた筆者にしてみれば、「この人、メディアで出ちゃって大丈夫なの?」と正直驚きしかない。
「そう言ってくださると、ウェブで記事を公開した甲斐があります(笑)。風俗でもこうしたトップの方のインタビュー記事があると、仕事を探す人もどんな業界が理解しやすいですし、『風俗だから……』という偏見を取り除くことにもつながります」
こうした地道な努力もあり、最近では大卒の人材も多く業界に入っているそうで、なかには早稲田など難関大出身者、リクルートなど大企業からの転職組もいるとか。
「短期間で業績を伸ばす会社も多く、結果がすぐに表れやすいのが、風俗業界です。しかも、出世のスピードも一般企業より早いため、自分のアイデアを形にしやすい。また、複数の営業所を統括的に管理する幹部職員になれば、年収1000万円を超えることも少なくありません。そういった点で風俗業界の会社は、ベンチャー企業に似ているといえます。キャリアアップ志向がある人が入ってくれれば、業界の成長にもつながるはずです」
風俗業界でも今や一般企業とあまり変わらない?
大手企業出身、年収1000万円のエリートも
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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