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潜入一筋25年のライターが“唯一断った仕事”「中国国旗を…」<漫画>

仕事が減って始めた「ゴミ屋敷の清掃のアルバイト」

――フリーランスとして25年活動されていますが、ピンチだった時期はありましたか。 村田:1冊目の本『乞食大百科』(データハウス)が叩かれて絶版になったときは、もうライターとしては終わりかなと思いました。同じころに雑誌で西成に3週間住む潜入取材を書いていたら、それが悪目立ちして話題になったんです。おかげでサブカル誌でのみですが、仕事はもらえるようになりました。  40代の時に年収が300万円ぐらい減ったことがありました。所属していた編集会社で暴力事件があって、それを咎めたら、干されたっていう。辛かったですが、ただ誰でもできるような仕事はしたくなかった。ならいっそのこと、他業種の仕事もしながらネタを拾えないかなと思って、それでゴミ屋敷の清掃のアルバイトをすることにしたんですよ。

仕事に行き詰ったら肉体労働をすべし

――なぜゴミ屋敷の清掃を選んだのですか。 村田:何度か取材で行くことがあったんですけど、ホームレス、樹海のほかに、何か別の看板が欲しいなと思っていて、ゴミ屋敷をずっと狙ってたんですよ。それに、お仕事が減ってネガティブになるときこそ、肉体労働がいいなと思いましたよ。  体をめちゃめちゃ動かしていると、何も考えないし、家に帰ったら寝るだけ。2年で100件以上のゴミ屋敷に行って、のちにゴミ屋敷をネタに出版社から本を出したり、漫画の依頼がきました。いつの間にか収入は回復していました。 ――最近、ライターは将来的にChatGPTに代替されるんじゃないかという声も聞きます。 村田:いやいや、ChatGPTに負けるならもう転職したほうがいいよ(笑)。僕のゴミ屋敷みたいに別の仕事をした経験が、のちにライターの仕事に活きることもありますし、思いつく限り色々やって自分だけのネタを集めるのが大事だと思います。
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企画や体験レポートを好むフリーライター。週1で歌舞伎町のバーに在籍。Twitter:@tsumami_gui_

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