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潜入一筋25年のライターが“唯一断った仕事”「中国国旗を…」<漫画>

心構えとかウザいじゃないですか

――潜入取材する上でご自身のルールがありましたら、教えてください。 村田:書くときに必要以上にシリアスにしないことです。正義面するのは好きじゃないので、単純に面白いとこだけ捉えたい。とはいえ、媒体側の要望もありますから100%叶えられるわけじゃないですが。 ――面白いところだけ捉えたいというのは、どういったお考えからですか。 村田:僕の好みですね。なんかウザいじゃないですか。ゴミ屋敷見たさで本を買っているのに、心構えみたいなことや社会の問題点を語られても。読者はどんな人が部屋をゴミ屋敷にして、それがどれくらい汚くて、どう片づけたのか?っていうのが読みたいから、それ以外は蛇足です。  女性誌だとそういう書き方ができるんです。「樹海でこんな死体を見つけた、びっくりした」「こんな汚いゴミ屋敷があった、やれやれ」みたいな感じ。明確なオチはいらない。男性誌だと、統計を出して、この問題を減らすにはどうすべきか、政治家はこう言っているとか、話の終着点が求められる。  僕は前者のような、事象だけを切り取るほうが面白いなと思うんです。それに僕が過度に何か言わなくても、意外と読者は感動したり学んだり勝手に読み取って勝手に感動したり、学んだりしてくれるものなので。 ――気になるのが、問題提起や意義を抜きに記事にすると、書き方によっては対象を消費してるような印象を抱かれそうですが、その点いかがですか。 村田:それでいうと、「社会問題で解決せねばならない」とか語るのも、それはそれでリスクですよ。いい子ちゃんぶるというか、正義ぶると炎上しやすい。興味本位でやってる銭ゲバの貧乏人と思われるのが、一番ラクなんですよ(笑) <取材・文/ツマミ具依>
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次ページより『禁忌(タブー)への潜入で見た残酷な現実』「悪徳マルチ商法編」を特別に公開
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企画や体験レポートを好むフリーライター。週1で歌舞伎町のバーに在籍。Twitter:@tsumami_gui_

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