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安倍晋三を祀る神社が建立…「死ねば、みんな神様」になるのか。神社本庁の見解は?

「死ねば、みんな神様」ではない?

 日本の神社の多くが加盟する神社本庁に訊ねてみると、まずこんな説明が……。 「基本的に、みんな亡くなれば神様ということはありません」  なんと! 漠然と神道では「死ねば、みんな神様」なのかと思っていたら、そうではないというのだ。 「神道の考え方では、亡くなった方の御霊(みたま)は祖霊として祭られていきますが、所謂神社で祭られている御祭神としての『神』になる訳ではありません。日本人の古くからの霊魂観では、人は亡くなったあと、御霊(みたま)がこの世にとどまって、いつでも子孫を見守ってくれている存在だと考えてきました。そして、先祖まつりを繰り返すことで家の『守り神』になっていくと考えてきたのです」  つまり、死後すぐに神様になるというわけではないし、神社の祭神と同一になるというわけではないというわけだ

個別に丁寧に考察する必要が

 また「実在した人を祀った神社が多数ある」という考え方も正しくはないという。 「死後に人が神として祭られた神社はありますが、その経緯は個別のものであり、総論として<亡くなった人の神社ができるのは日本の歴史では珍しいことではない>とは、一概に言い難いと思います。それぞれの経緯、理由があるので、比較する場合は、個別に丁寧に考察することが必要でしょう」  整理すると、決して誰もが死後、神社の祭神と同一の存在になるわけではない。かつ、実在した人物を祭神とする神社が珍しくないという見方は雑、ということだ。  この説明を聞いて気になったのは、現に、近代以降の比較的近い時代の人物が祭神になっている神社が存在していること。死後、神様になるわけではないとすると、話がかみ合わなくなるような気がする。その点を訊ねてみると、こんな答えが。
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ノリと勢いだけでは継続は難しい?
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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