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純利1兆円超え。トヨタはなぜ復活できたのか?“EV出遅れ”を挽回する5つのシナリオ

新社長になって変わったメディア発信にも注目

「トヨタイムズ」公式ホームページより

 また、今のトヨタを語るうえで外せないのが今年4月からの新体制です。14年間続いていたモリゾーこと豊田章男氏の社長体制から佐藤恒治氏が新たな社長を務める体制へと移行しました。  大きな変化が現れているのはメディア発信です。  一般的に大企業の社長交代はマスコミを集めた記者会見を開く形で報じられます。この従来の当たり前を一新し、「トヨタイムズ」というオウンドメディアにおいて社長交代を発表しました。トヨタイムズ自体は前社長時代の2019年から開始されたメディアではありますが、佐藤新社長の姿勢にはオウンドメディアをさらに有効活用していくという姿勢が読み取れます。  そして、オウンドメディア一辺倒ではないというのもおもしろい点です。  佐藤新社長はテレビ局各社や新聞各紙の取材に応じるなど、既存のマスコミへの情報公開に好意的です。これまでのトヨタは既存のマスコミとはある程度の距離を取っているという印象がありましたが、その方針にも変化が現れています。  既存メディアとオウンドメディアを変幻自在に活用する佐藤新社長のメディア戦略。こちらもとても楽しみな点となっています。  このように、車両値上げ、EV普及などで復活を遂げたトヨタ。今期以降、まるでレクサスLFAのようにグローバル経済を爆進していくでしょう。
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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