“立浪中日”に「決定的に足りていない要素」とは。野村克也氏も語っていた意外な効用
中日の立浪和義監督の来季の監督続投が9月15日に発表された。2024年は勝負の3年目となるが、再建への道は険しい。とくに野手は一気に若返ったものの、ここという場面でのミスが目立ち、なかなか勝利に結びつけることができずにいる。
今年の中日、とりわけ立浪監督の一挙手一投足に多くの野球ファンが注目し、優勝した阪神以上に記事で取り上げられる頻度が高かった。その極めつけが「令和の米騒動」となるのだろうが、ここまでくると多くの中日ファンは心を痛めていることだろう。
今の中日が勝つためにはさまざまな意見があるだろうが、「チームが戦うムードになっているのか」という点に注目したい。
中日のベンチを見ていると勝っているときはいいが、劣勢になっているときや接戦のときには途端にベンチが静かになっている様子が見てとれる。
「チームが劣勢のときほど、ユーモアたっぷりのヤジでベンチ内に笑いを起こすことは大事なことなんだよ」
と筆者に教えてくれたのは、野村克也氏である。野村氏とは楽天の監督を退任してから書籍の取材でいろいろな話をさせていただいたが、「ユーモアも戦ううえでは大切な武器になる」とその効用について、こんなエピソードを話してくれた。
野村氏が南海で選手兼任監督を務めていた71年オフ、当時ヤクルトに在籍していた大塚徹という26歳の野手をトレードで獲得した。茨城の土浦第三高から64年に国鉄(現ヤクルト)に入団し、ユーティリティープレイヤーとして活躍していた以上に、ムードメーカーとして明るい性格を野村は高く評価していた。
その効用は南海に移籍した1年目の72年シーズンで発揮された。ある試合で大差で劣勢だった試合でのこと。7回に二死満塁という場面で野村に打席が回ってきた。けれども野村がスイングすると、内野のポップフライ。チャンスは潰えてしまった。
このときまで南海は大型連敗中で、ベンチのムードはまるでお通夜のような状態で、ベンチ内はまるで活気がない。野村が下を向いてベンチに戻ってくるなり、こんな声がベンチ内の一角から上がった。
「監督でも打てないんだ。こりゃ今日はダメだね」
野村克也氏が筆者に教えてくれたのは…
チャンスで凡退した野村氏に対して…
スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』『オイシックス新潟アルビレックスBCの挑戦』(いずれも双葉社)
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