更新日:2023年10月17日 16:24
エンタメ

日本のアダルト規制の歴史。過激な時代は終わり、現在は控えめな“チラリ”表現が人気なわけ

ちょいエロ人気は日本の景気後退も一因?

現在のちょいエロの盛り上がりについて、“日本の景気後退との関係”を指摘するのは、大手電子コミックのサイト構築にも携わる実業家の山本一郎氏だ。 「ちょいエロ漫画の購買層は、シビアにお金の使い方を考える若年層が多数を占めるのではないか。漫画はテレビに変わる安価な娯楽ですから。 電子コミックのユーザーには、既存のライトノベルやアニメのコミカライズを好んで買う層がいて、彼らが表示された広告に対して特定のリンクを踏む率を示すCTRは、ほかのユーザー層の5倍も高いというデータもある。 そして、彼らが好むジャンルの上位7位にちょいエロが食い込んでいる。大黒柱ではないものの、有力コンテンツなのは間違いない」

規制をかいくぐるため多様な性表現が誕生

ちょいエロ漫画の嚆こう矢しは1968年の『ハレンチ学園』に遡る。性表現が花開いたのは1980年代のこと(※記事末の年表参照)。美少女コミック研究家の稀見理都(きみりと)氏が解説する。 「70年安保闘争が敗北に終わり、時代の空気は硬派から軟派に一変した。ラブコメ漫画が一大勢力となり、そこからちょいエロ表現が大量発生。規制が緩かったこともあり、性表現が一気に過激化したのです。 男性キャラが能動的にエロい行為に走る作品が多く、エロ本顔負けの作品も目立つ。バブルに向かって景気も右肩上がりだから、性表現もイケイケ(苦笑)。 当時の少年誌の読者は、ベビーブーマー世代の少年。人口が多い上にちょいエロへの食いつきがいいので、出版社も売るためにちょいエロに舵を切った」
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規制をすり抜ける新たな性表現が…
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