更新日:2023年10月17日 16:24
エンタメ

日本のアダルト規制の歴史。過激な時代は終わり、現在は控えめな“チラリ”表現が人気なわけ

規制をすり抜ける新たな性表現が誕生

1990年代のちょいエロ漫画は、過激化への揺り戻しで規制が厳格化し、冬の時代を迎える。そして’00年代に入ると、規制をすり抜けるように新たな性表現が誕生した。稀見氏が続ける。 「アクシデントによって男性主人公がたまたまエロに巻き込まれる“ラッキースケベ”という言葉が生まれ定着。“事故”だから、エロ表現でも仕方ないという理屈です(苦笑)。この頃はすでに『乳首NG』なので、制作サイドが裸を描かずにいかにエロくするかに腐心した結果、パンチラ、胸チラなど、チラリズム系の性表現が多様化していった。 さらに、『萌え』の誕生を受けて、女のコを可愛く描く技術が飛躍的に向上。その後、’10年代は、ヒロインがエッチに能動的な、女性上位の時代に突入し、性表現もよりフェティッシュ、マニアックに進化。ターゲット層も男女問わなくなり、現在のちょいエロに至る」

ターゲットは女性にシフト?

進化したちょいエロ漫画の購読層は、女性が存在感を増している。コンテンツの成熟が、電子コミックの配信企業に与えるメリットは大きい。前出の“ちょいエロマスター”氏はこう話す。 「電子コミックは掲載本数が無制限なので作家は好きなものを創作でき、ちょいエロ作品でのデビューは意外に多い。性表現を描きたいが、『エロ』の看板を嫌う作家は少なくないのです。 一方、ユーザー側もエロ本を買うハードルを感じない。ちょいエロのアドバンテージは多いのです」 ちょいエロの台頭は、時代の要請なのだ。
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