麺とスープだけで490円の商品も…“具なし”カップラーメンはなぜ売れているのか
カップヌードルが登場して半世紀がたった今、日本が誇る国民食に新たな潮流が生まれている。スープと麺だけで構成されたシンプルな「具なしラーメン」だ。かつての「安価な素ラーメン」とは一線を画し、有名店とのコラボ商品並みに値の張るものも多い。続々と新商品が登場しているというのは、「売れているから」だろう。そこには、どんな背景があるのだろうか。これまで5000杯以上のラーメンを食し、インスタント麺のアレンジレシピも考案するラーメン評論家の本谷亜紀氏に見解を語ってもらった。
ブームの火付け役は明星が2021年に発売した「麺とスープだけ」(278円)。その後、シリーズ化され2023年8月には「え?透明スープの豚骨!?」が第5弾として発売されており、人気が継続しているのがうかがえる。
また、2022年には日清食品からも「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。」(430円)が発売され、現在に至るまで3商品がセブンイレブン限定商品としてシリーズ化されている。物価高で誰もがコスパを気にする時代。実食した本谷氏の感想は以下の通りだ。
「『え?透明スープの豚骨!?』は美味しかったです。麺とスープだけを味わってほしいという、自信とメッセージ性を感じました。具の開発や製造に使われていたリソースを、麺とスープだけに傾けているということですよね。大満足でしたし、コスパが悪いとは思いません」
具なしラーメンのブームの中にあって、2021年発売の「一蘭 とんこつ」(エースコック:490円)は、その強気な価格設定が話題を呼んだ。こちらについて本谷氏は、ターゲットとしている層をこう予測する。
「東京には一蘭の店舗が多いので、都内在住の人は『わざわざカップラーメンで……』と感じてしまうかもしれません。ただ、一蘭は同じく豚骨の一風堂に比べて、東京と福岡以外の店舗数が少ないんですよ。だからなのか、その他の地域に一定数存在する『一蘭への憧れがある方』から熱烈な支持を得ているのではないでしょうか」
コンビニやスーパーの棚で展開されているカップラーメンのなかには、「店になかなか来れない人に届ける」役割も担っているようだ。
麺とスープだけの商品だが高コスパ?
「一蘭の具なしラーメン」のターゲットは…
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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