母の財産を狙う“兄の嫁”が大暴走。録音されていた「衝撃的な発言」で立場が逆転するまで
―[家族に蝕まれる!]―
世の中に老後の心配が尽きない人は多い。だが親族との関係性によっては、心配の範囲は死後までおよぶ。
「田舎なので都会に比べると微々たるものですが、財産がありました。私は生涯独身で過ごしてきたんです。それに、親族の関係性があまり良いとは言えないものですから、私が死んだあとのことが心配でしてね」
そう不安を口にする増田篤子氏(仮名)は、齢80に差し掛かろうとしている。背筋がすっと伸び、深みのある色合いの和服を纏う着姿は、まさに淑女。婚姻歴もなければ、子どももいない。10年以上前に退職するまでは、看護師として勤めていた。
増田氏には数名のきょうだいがいたが、この10年でほとんどが亡くなっている。もしも自分が死亡すれば、きょうだいの子どもたち――つまり甥や姪が遺産を争う将来が目に見えているのだとため息をつく。
心配の言葉も「遺産分けて」に聞こえる
軋轢の発端になった兄嫁の存在
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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