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「国へ帰れ」過熱する外国人ヘイト、入管職員による暴行…このまま新・入管法を施行していいのか

日本で20年、妻は日本人。なのに強制送還の対象に

こういった課題があるなか、新・入管法は2024年6月までに施行される。施行を止めたいと、当事者と支援者による記者会見が2023年12月に開かれた。 新しい入管法では難民申請が2回までとなり、よほどの理由がなければ3回目は受けられず強制送還の対象となる。母国で身の危険を感じている人には、非常に恐怖を感じる法律だ。
ナビンさん

ナビンさん

スリランカ出身で難民申請者のナビンさんも発言者として参加していた。 「私は、来日20年目になります。難民申請は2回目です。新しい法律で、いつ送還されるのか不安になる。日本人女性と付き合って19年、結婚して7年目ですが、配偶者ビザも認めてもらえない。職員には『偽装結婚と疑ってはいない』と3回言われたことがある。それだったらビザを出してほしいと言ったのですが、『上が決めることだから』といつも逃げられてしまう」(ナビンさん)

「私たちを使ってほしい、税金も納められる」

ナビンさんは結婚前、通っていた日本語学校の倒産によって、留学ビザを失った。だが、当時スリランカは内戦状態にあり、今も激しい政治的対立が続いている。送還されれば迫害の危険があるという。 「自分も収容の経験があるが辛かった。昔、『(在留外国人は)煮て食おうが焼いて食おうが自由』と言った法務省の人がいたが(※)、まさに今もそれを続けている状態。例えば、虫歯が痛かったら外にいれば医者に行ける。だけど収容施設にいると早くても1か月待たされる。それでもちゃんとした治療をされずに、薬をもらうだけだったりする。 岸田さんが人手不足の問題を言っているのを聞いた。なら私たちにビザを出して、私たちが働いて税金を納めることができる。私たちを使ってほしい」(同) ※1965年、法務省入管局参事官だった池上努氏の著書『法的地位200の質問』内
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「国へ帰れ」過熱するヘイトスピーチ
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おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)、入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)

ある日の入管~外国人収容施設は“生き地獄”~

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