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パチンコホール「ガイア」倒産、老舗メーカー「西陣」廃業…。2023年波乱のパチンコ業界を振り返る

老舗パチンコメーカー西陣の廃業

パチンコ

西陣が廃業を発表した翌日の上野のショールーム

 そんな業界から撤退しているのは、ホールだけではありません。まずは民事再生というプロセスを吹っ飛ばし、いきなり今年の春に廃業を決定したのが老舗パチンコメーカーの西陣です。こちらも筆者がパチンコを覚えた40年ほど前には間違いなくトップメーカーで、当時の主流だった羽根モノにおいては名機しかないというくらい。その後も連チャンデジパチで数々のヒットを飛ばし、CR機でも花満開が大ヒットしてプリペイドカードの普及に大きく貢献したのは昭和世代のパチンコファンなら誰もが知ることです。

赤字が膨らむ前に撤退するのも賢明な判断

 でも、ここしばらくはトレンドからちょっとズレた機種が多く、それでいてトレンドを追いかけたであろう機種でも追いついていないようなものばかり。まことしやかに西陣は新機種が売れなくても特許で食べていけるから……なんて話もありましたが、仮にそうだとしたら創業者一族(※メーカーのほとんどは、規模の大小はあっても家業であり個人商店的な経営体制です)が、それで今後も食べていけばいい話。売れない機械を作る必要なんてありませんし、いろいろなマイナス面が膨らむ前に綺麗に事業を終わらせるというのは賢明な考えかと思います。  実際、休廃業するホールにはそういう考えのオーナーも少なくないようで、自社ビルで自らホールを経営するよりもテナント貸しした方が儲かる時代ですから、赤字が積み重なる前にきっぱり止めるという決断も致し方ないでしょう。ましてや建物が老巧化しているとしたら、新たに立て替えてまでホールをやるメリットもないですし。
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まさに救世主となった「スマスロ北斗の拳」
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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