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ANAが“歩くだけでマイルが貯まるアプリ”を作った理由とは。「1カ月に1万マイル貯まった人も」

 航空会社が提供するマイレージプログラムでもらえる「マイル」。  マイル数に応じてクーポンや商品、無料航空券など、さまざまな特典と交換できるのが魅力だ。  基本的なマイルを貯める方法は航空機を利用することだが、それ以外にも提携クレジットカードや提携ショッピングサイトで買い物すれば貯めることができる。  そんななか、大手航空会社であるANAのグループ会社「ANA X」が企画・運営するANA Pocketは、飛行機を含むすべての移動手段において“マイルが貯められる”アプリとして注目されている。  直近では登録会員数が200万人を突破するなど、ANAグループの新たな事業の柱としても成長を続けているのだ。  同サービスを運営するANA X株式会社 事業開発部 グロース・オペレーションチームの中村さんに、ANA Pocketを立ち上げた経緯や今後の展望について話を聞いた。
ANA X株式会社

ANA X株式会社にて取材

コロナ禍で“非航空事業”を育てる必要があった

ANA Pocket ANA Pocketは2021年12月にサービスを開始した。その頃はコロナ禍の影響で、ANAの主要事業である航空事業が苦境に立たされ、「航空事業ではない“非航空事業”で新たな事業の柱を立てる必要があった」と中村さんは話す。 「飛行機を利用する以外に、『日常生活でANAと身近に接してもらうにはどうすればいいのか』と考えていく上で着目したのが『移動』でした。例えば仕事や学校へ行く時でも、何かしらの移動手段を使っているわけですし、そのなかで自然とANAのマイルが貯まるサービスがあれば良いのではと思ったのがANA Pocketが生まれた背景になっています」(中村さん、以下同)  飛行機に乗るのは、旅行へ出かける際などの“非日常的”なシーンが多い。一方で、日常的に自分の手の中に置いていけるようなスマホアプリであれば、普段から飛行機に乗らない人や、格安航空しか利用しない人も、ANAと接点を作ることができる。 「航空事業を中核にするANAグループにとっても、ANA Pocketを通じて若年層にANAを知ってもらう機会の創出をしていかなければならないと感じていました。こうした状況のなかで重要視したのが、楽しみながらアプリを使っていただけるような“ゲーム要素”でした。  指定の移動条件や距離をクリアするとポイントがもらえる『移動チャレンジ』や、貯まったポイントと引き換えに挑戦できる『ガチャ』など、日常の移動の中にちょっとしたプラスアルファの楽しみを提供していくことを意識しました」 ANA Pocket概要

マイルを貯める「モチベーションの維持」が鍵になった

 しかし、当初はANA Pocketを利用する「モチベーション」をいかに保てるかが難しかったという。  普段からマイルを貯めている人であれば、航空券以外のショッピングにもマイルが使えるのを認識しているが、そうでない人は「マイルの使い道や貯めるメリット」を知らず、アプリを続けるモチベーションを保てないという課題が生じていた。 「ANA Pocketのガチャには、有料会員が使える『マイルガチャ』と、無料会員かつANAマイレージクラブ会員が使える『ANA SKYコインガチャ』、コンビニやオンラインショップで利用できるクーポンが当たる『Pocketガチャ』の3種類がありました。  そんななか、ユーザーに『マイルを貯めてもらいたい、マイルの価値に気づいてもらいたい』という思いがあったため、無料会員でもANA SKYコインではなくマイルが当たるマイルガチャを引けるようにしたのです。それが、サービスの成長するひとつのきっかけになりました」  さらに、「ポイ活勢への認知が広まった」こともユーザー層が広まった大きな要因だと中村さんは続ける。 「いわゆる“ポイ活”が好きな方に、『ANA Pocketはマイルが結構貯まる』というのが徐々に浸透してきて、SNSや口コミで拡散していったのもサービスの認知拡大に寄与したと考えています」  ANA Pocketをリリースした当初は、既存のANAマイレージクラブ会員の40代〜60代のユーザーが中心だったが、現在は20〜30代のユーザーも増えている。アプリ広告やSNS広告といったプロモーションを展開したことで、主婦層や若年層にも広まったのが大きな要因だという。
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有料会員を半年継続したら片道の国内線特典航空券を獲得できる場合も
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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