仕事

「ヤバいフランチャイズ本部」に共通する20の特徴。社員が偽名、SNSで散財アピールetc.

戸籍まで変えて偽名を使うパワハラ社長

西村一樹

西村一樹氏

 西村氏は取材からまともなフランチャイズ本部か見分ける。 「飲食系のフランチャイズ本部の社長ですが、カフェで打ち合わせをしていたら、明らかに様子がおかしくて、ソワソワしているんです。打ち合わせ中に、トイレで薬をぶち込んでいました」  その社長は、役員を金属ハンマーでぶっ叩くパワハラ社長でもある。本部のスタッフには指がない人間もいる。さらに、加盟店オーナーに、事業とは関係のない商材などを強制的に買わせるという。  加盟する側もする側だが、クレームを言ったら、反社らしき人間が出てきたらたまったものではない。加盟する側も本部をよくよく見極めなければならないだろう。  そんなヤバい本部を見分けるにはどうしたらいいのか。

ダメなフランチャイズ本部の見分け方

 数々のフランチャイズ本部を見てきた西村氏が、20個の「ダメなFC本部の特徴」をあげてくれた。 ▪「フランチャイズ展開をなぜしているんですか?」という質問に対して、理念や大義を話し出すなど、即答できない ▪来月から、加盟金が値上がりますと言ってくる ▪新規で出店しているお店より、撤退している店舗の方が多い ▪営業資料に加盟オーナー風の「サクラ」がいる ▪営業の開発担当者がコロコロ変わる ▪多角化や同ブランド複数店舗オーナーの割合が全オーナーの3分の1以下 ▪ネガティブ情報(中途解約、違約金)などの説明がない ▪契約書の読み合わせがない ▪SNSなどで本部批判が増加している ▪法定開示書面がない ▪社長が経歴詐称をしている ▪ノー審査で、だれでも加盟できる ▪SV(スーパーバイザー)を含めた本部社員の定着率が悪い ▪加盟店店舗への訪問を認めてもらえない ▪「儲かる」と金ばかりの説明をする ▪物件契約が確定する前にフランチャイズ契約を交わし、手付金を入金させる ▪工事費が指定会社で、相見積もりを取ってみたら、とんでもないぐらい桁が違う ▪加盟開発の営業マンが、そのビジネスの現場経験ゼロ ▪なにかマイナス(例えば、目の前に競合他社が出店するなど)なことがあった場合の対処法を考えていない ▪本部社長がSNSで散財アピールをしている  最後にフランチャイズビジネスを始めようと考えている人へのアドバイスを聞いた。 「フランチャイズ業界には全てではありませんが、一定の闇が存在します。やっかいなのは、加盟検討者がそれを見極めることは困難なところです。延べ1,000以上のフランチャイズ本部を見続けてきた僕が、最も重視しているのは『人』です。FC本部の社長の事業に対する思い、FC展開の先に描く未来、本部で働く従業員の雰囲気、加盟しているオーナーさんなどなど、『人』を決め手にするのがいいと思います」     フランチャイズ本部が謳ういい面だけでなく、リスクも知った上で、どの本部の加盟店になるかを慎重に判断したい。 <取材・文/田口ゆう>
立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1
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