東出昌大がスキャンダル以降に“半分山暮らし”をする理由を初告白
―[インタビュー連載『エッジな人々』]―
関東某山の奥、トタン屋根とビニールシートで囲まれた炊事場の前で、東出昌大はカレーうどんを作っていた。狩猟者集団として立ち上げた「青狼會」のTシャツを着た後輩たちは、東出の指示でネギを切り、食器を用意してくれる。東出はなぜ山に籠もったのか、銃を構えるのか。謎に満ちた半自給自足生活、彼の”今”に迫った――。
【インタビュー2本目】⇒「狩猟も畑も小屋を建てるのも全部やる。役者はその一つにすぎない」東出昌大が語った仕事論
【インタビュー3本目】⇒「芸能界に入る前からずっと虚しかった」東出昌大、たどり着いた現在の境地

100頭以上撃ってどの子も忘れられない
──それまで銃を撃ったことはなかったんですか?
東出:射撃場で練習はしてましたが、止まった的を固定した銃で撃つのと、足場が悪く的も動く猟場とでは勝手が違う。撃った衝撃で獣から自分の視線が逸れてしまった。慌てて探すと、四肢をばたつかせ、もがき苦しむ大きなシカが、雪煙を上げながらこちらにズリ落ちてきた。雪面は鮮血に染まり、唖然としている僕に阿部さんの「仕留めろ!」という言葉で我に返った。首にナイフを立てるけど、焦ってるから何度突き立てても、うまくいかない。最後は阿部さんの助けを借りて仕留めました。銃を構えてから止めを刺すまで、1分ちょっとの出来事でしたね。
──わずか60秒なのに、情報量が凄まじいです。
東出:うん、あの衝撃と喪失感と興奮は忘れない。人間と同じ哺乳類を殺すことは、すごく度胸がいる。でもその感覚ってまだうまく表現できないんです。肉なんて店で買えるのに、なぜあえて動物を殺すのかと聞かれたこともあります。自力で獣肉を獲ることで、新しい世界が見えるんじゃないか、今までの常識や固定観念みたいなのが崩れるんじゃないかと思って始めた狩猟ですが、まだ明確な答えは出ていない。なぜ狩猟に惹かれるのか。それについては一生考え続けるんでしょうね。みんなでカレーを食べている、あそこの椅子の上で黒い犬がくつろいでるでしょ? あの子が下に敷いてるのが、初獲物の毛皮なんです。
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