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「外食したくてもできない」日本人の懐事情。ランチ実態調査も「自炊」が4年連続1位に

コンビニ各社の巻き返しはいかに

セブンイレブン

Metro Hopper – stock.adobe.com

 危機感を抱いたコンビニは、それぞれ低価格商品を導入し、集客力を争っているようだ。セブンイレブンは、物価高による生活防衛意識に対応した手ごろな価格の「うれしい値!」シリーズ商品を、現在の約20品目から270品目に大幅に拡充している。  やはり、消費者の節約志向への高まりに客離れが顕著なため路線変更するようだ。五目焼飯・麻婆丼・バターチキンカレーは348円税込でありお得感満載だ。利便性が売りのコンビニだったが、低価格も武器に訴求し吸引力を高め、コスパとタイパの両立性を追求している。  ファミリーマートは、おにぎり市場の拡大を受け、コンビニ大手が名店とコラボしたプチ贅沢をテーマに新おむすびの販売を開始した。和食の「賛否両論」や洋食の「上野精養軒」が監修したツナと鮭のおむすび4種類である。  名店が監修したという厳選素材を使用しそのブランドを冠していることもあり、今回は240円(税込)258円(税込)で販売されている。今後もおにぎりーブームの乗っかり、低価格・中価格・高価格の3つの価格帯で商品力と販売力を強化していく計画とのことだ。

会社員のランチも様々

 住宅ローンや子供の教育費用などの負担が大きい会社員の懐事情ではランチで外食ができない人が多い。充実した社員食堂がある大企業ならいいが、日本の会社の99.7%は中小企業であり、社員食堂のない会社が大半だ。  仕事中のランチも外食・中食・内食の奪い合いだ。以前なら、弁当を買いに行く人は、割高と分かりながら、近くのコンビ二で買っていたが、今は時間を確保して、食品スーパーなどで安い弁当購入にシフトしているようだ。  最近は、冷凍食品のワンプレートも、コスパとタイパの良さから人気であり、市場規模も約100億円規模に急伸している。大概の職場に電子レンジが備わっているから、従来の手作り弁当に代わって持っていくようだ。  ご飯とおかずがセットになっており価格は400円程度で栄養面も考えられており、健康食としても最適らしい。一度の過熱で済むから手間がかからず器付きだから、片付けも楽で簡便性の高さから、奥さんに喜ばれており、ますます売れ行きが好調のようだ。  共稼ぎ世帯で毎日、弁当を持参している人は、おかずの中身は50%が冷凍食品、50%は前夜の残り物を詰めていると聞く。今は米が高いからもち米を入れて膨らませるなど、家庭内で原価計算をしているのはさすがだ。そうやって平日は節約し、週末は外食に出かけるなど消費のメリハリをつけているようだ。
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ランチ実態調査の1位も自炊
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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