日本が落ちぶれたのは「変わり者」を排除したから?わが国で“多様性”が浸透しない背景を生物学者が解説
日本は均一な人材の「大量生産」に成功してしまった
そうなるとそれを担う労働者にも個性は不要で、ひたすら同じことを効率よく行う能力が求められる。だから、変な主張などしたりしない、勤勉で従順な労働者はまさに理想的なのである。
日本が欧米のマネをしながら家電や自動車などを製造し、それをより安くより大量に販売することによって世界第2位の経済大国にまでなったのも、日本人の一様に真面目な気質が環境に見事に適応し、一気に国際競争力を高めたからだ。
そのような日本人の均一化を実現させたのは、発想や頭脳の多様さを抑圧するかのような、横並びで画一的な教育である。
教科書通りに遺漏がないようすべて教えろとか、必ずこの教材を使えとか、こういう手順を踏んで教えろといった平準化した教育が徹底して施され、変な個性を発揮されたりすると面倒なので、校則などのルールで拘束して無理やり型にはめようとする。
そうやって、そこそこの能力を持つ均一な人材を文字通り「大量生産」することに成功した日本は、まさに「多様性のないこと」で短期的な繁栄を成し遂げたのだ。
イノベーションを起こすのに必要なのは個性的な頭脳
1947年、東京都生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。山梨大学教育人間科学部教授、早稲田大学国際教養学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。高尾599ミュージアムの名誉館長。生物学分野のほか、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する著書がある。
フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。著書に『騙されない老後』『平等バカ』『専門家の大罪』『驚きの「リアル進化論」』『老いと死の流儀』(すべて扶桑社新書)、『SDGsの大嘘』『バカの災厄』(ともに宝島社新書)、『病院に行かない生き方』(PHP新書)、『年寄りは本気だ:はみ出し日本論』(共著、新潮選書)など多数。また、『まぐまぐ』でメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』を月2回、第2・第4金曜日に配信中。
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