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日本人は「外国人観光客はみな買い物が目的」と思い込んでいる…見直しを迫られる日本のおもてなし

 2015年度の訪日外国人数が2000万人の大台を突破した観光大国の日本。“爆買い”を取り込みたい!と「インバウンド」を見据えた市場や取り組みは活況といわれるが、我流で外国語の案内を増やし、今や誤表記が街に溢れている日本的インバウンドが失笑されないためには? そんな日本の現状を、訪日外国人事情に詳しい中村正人氏は、「爆買いという言葉に踊らされ、訪日客はみな買い物が目的、と思い込んでいる」と静観する。 「昨年度の日本のGDP500兆円に対して、インバウンド需要は約3.5兆円。現状、彼らのお金で日本経済が潤っているわけではないのです。今後、着実に訪日客の消費を伸ばしていくためには、言葉も含め、相手の国情を理解してそれに見合った商品、サービスを提供していくことが重要です」  中国語にしても、中国本土は簡体字、台湾・香港は繁体字が標準語、と明確な違いがある。 「最近では簡体字で商品を表記する店が増えましたが、繁体字を使う台湾や香港の人からすれば、自分たちは相手にされていないと感じるそうです。昨年度の台湾と香港からの訪日者数の合算は、中国本土からより多い520万人。イメージダウンは大きな痛手です」
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日本の慣習を一方的に押し付ける傾向も問題
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爆買いの正体

台湾人であり、“仕掛け人”でもある著者にしか語れない、「爆買い」のすべての謎を解き明かした1冊です。

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