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PCR法開発者も「エキセントリックな思想」の持ち主だった
この人はノーベル賞を受賞する前に「日本国際賞」も受賞しているが、その授賞式で皇后(現在の上皇后)に「スウィーティ(かわい子ちゃん)」と挨拶したらしい。
またLSDやマリファナを使用していたことも公言していて、自伝では、光るアライグマ(彼はそれをエイリアンだったと言っている)と会話を交わしたこともあると主張している。
たいがいのことには寛容なアメリカ人からも「エキセントリックで傲慢で奇怪な思想の持ち主」だと見られていたようだ。
そういえばマリスが発見した当初は、PCR法の応用可能性やその深遠な価値に気づいていた人はほとんどおらず、その発見に対してマリスがシータス社から受け取ったのは1万ドル(当時の日本円で約100万円)のボーナスだけだったそうだ。
けれどもシータス社はその後「PCR法」の特許で莫大な利益を得たうえ、その特許をスイスの製薬会社に売却して3億ドル(同約3000億円)を手にしている。
その件についてマリスは自身の著書で、「このアイデアが実現して会社に利益をもたらせば、会社は私にそれ相応の待遇をしてくれるはずだと思っていた。しかしそれは無邪気な考えだった」と後悔の弁を述べているが、これはかなり気の毒な話だと思う。
周りと同じではなかったからこそ革新的な製品を生み出せた
1947年、東京都生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。山梨大学教育人間科学部教授、早稲田大学国際教養学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。高尾599ミュージアムの名誉館長。生物学分野のほか、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する著書がある。
フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。著書に『騙されない老後』『平等バカ』『専門家の大罪』『驚きの「リアル進化論」』『老いと死の流儀』(すべて扶桑社新書)、『SDGsの大嘘』『バカの災厄』(ともに宝島社新書)、『病院に行かない生き方』(PHP新書)、『年寄りは本気だ:はみ出し日本論』(共著、新潮選書)など多数。また、『まぐまぐ』でメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』を月2回、第2・第4金曜日に配信中。
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