更新日:2024年10月16日 11:27
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4割が“赤字”経営…「美容室」の倒産が急増。節約志向の高まりで客単価減の現実

美容業界の人手不足は常態化

美容室 美容室の人手不足は常態化しており、10年以内の離職率が90%とも推計されている。約8割の美容室で常に人手不足である。ハローワークによると、美容師の有効求人倍率は5.66倍(2022年)で、全国の有効求人倍率(パートを含む)の1.39倍の約4倍と高い状態だ。  美容師は労働時間も長く、休日も少ないなど、サービス産業の中でも劣悪の労働環境の店が多い。美容専門学校を卒業して入った店で、勤務が終了しても技術力向上に向けた練習をしなければならいなど拘束時間が長い。筆者が以前入居していたビル内にも、美容室があり、学校を卒業したばかりの新人さんが夜遅くまで練習していた。  修業期間は平均10年間で、それを終えた後、店舗を構えて独立するか、自分の裁量で働くフリーランス美容師になる人が多いようだ。美容師は資格を取ったらすぐに施術できる訳ではなく、下積みとして知識・経験・技術・コミュニーケーション能力を蓄積することが必要で、それらが備わって初めて活躍の場が与えられる。  美容室は個人店のオーナーが大多数の業界である。フリーランスには①業務委託型サロン、②シェア型サロンがある。フリーか、指名のお客かで割合が変わるが、売上の40~50%が報酬となるという。

業務委託型、シェア型の違いとは?

 1つ目の「業務委託型」の場合は、サロンの一員として働くこととなり、そこの顧客を施術するため、美容師自らが集客をする必要はない。また働き方や労働時間なども自由度が高く、複数の美容室を兼務することも可能だ。自分が頑張った分、収入も増えるからモチベーションが高まる。  しかし、コロナのように不測の事態が発生し、仕事がなくなった時、誰も給料保証をしてくれないからリスクは大きい。業務委託する美容室側のメリットは、①労働基準法が適用されないから、お互いが納得した自由な条件で契約できる、②税金や保険の手続きを行う必要がない、③売上の増減に応じ人件費を変動費化できるとのことだ。  2つ目の「シェアサロン型」はより独立開業に近く、シェアルームのように使用料を払って自由にサロンを使用することができる。メリットは自由裁量に基づく働き方が自由で、指名客が多い場合は業務委託型よりも稼げること。また、仲介者がないから、収益の還元率も高めである場合が多い。  メニューや料金も自らの裁量で決められ、自己のブランド力が高く顧客提供価値が高ければ、料金を高めに設定でき、顧客の固定化も可能だ。業務で使用する備品や薬剤などの消耗品の費用負担は、自らがしなければいけないのがデメリットのようだ。
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美容師不足解消に大手の取り組み
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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