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店舗数は5年で2倍…「おにぎり専門店ブーム」は淘汰フェーズに。喫茶店のコメダが参入も“強み”のボリューム感はいずこへ

おいしい基準は、コンビニのおにぎり

日本では1970年代からコンビニでおにぎりが販売されはじめました。歴史の中で改良が重ねられ、例えばセブンイレブンのスタンダードな鮭おにぎり「手巻おにぎり 炭火焼熟成紅しゃけ」は、厳選した米を低温精米して炊き上げ、熟成した紅鮭を炭火で焼き、有明海産の焼海苔を巻いて仕上げたこだわりの商品。これで199円という価格ですから、専門店のおにぎりを選ぶためには、確かな理由が必要になります。 「おむすび 米屋の太郎」で、コンビニにはない食体験ができるのでしょうか?

看板メニューは、名古屋おむすび。気になるお味は?

2月末のある日、昼時に行ってみると、店頭には10人弱の注文客が集まっていました。新宿のオフィスビル内にあることもあり、平日に長時間並んで購入しようというニーズはなさそう。「受け取るまでに10分くらいお待たせしてしまいますが大丈夫ですか?」という店スタッフの確認であきらめて帰る人がちらほら。 私が行った時には外国人観光客はゼロでした。おしながきを見ると、日本語オンリー。まずは日本人だけをターゲットとして想定しているのでしょう。果たして、コンビニおにぎりで鍛えられた日本人の心をつかむことができるのでしょうか……。
おむすび 米屋の太郎

名古屋のうまいものを具材に入れた「名古屋おむすび」が看板メニューになっている。

おにぎりは全23品。価格は150円~580円という幅広い設定になっています。そして同店のウリは、「名古屋おむすび」。三元豚を使った「味噌ヒレ カツむすび」(330円)、三河一色産の鰻を使った名古屋名物“ひつまぶし”のおむすび「うなぎむすび」(580円)、ごちそうおむすびの先がけ「天むす」(380円)、他にも名古屋コーチンのとり天や鶏そぼろといった実力派具材がラインナップされています。 名古屋めしの世界観がおむすびでしっかり表現されています。うーん、そそられます。気になるおむすびを購入してじっくり食べてみることにしました。
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“コメダの強み”では勝負していなかった
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食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12

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