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官僚と企業の癒着の道具に成り果てた中国サッカーリーグの惨状

中国,サッカー

※画像はイメージです

「サッカーW杯2014」のアジア最終予選がスタートし、日本で盛り上がりを見せる一方、すでに予選敗退した中国には、国内で批判と失望の声が上がっている。

『中国青年報』(6月3日付)は、「カネにモノを言わせ、外国人選手を補強するだけでは未来はない」と断じている。昨年12月、中国スーパーリーグの上海申花が元フランス代表のアネルカを年俸11億円で獲得したほか、最近ではコートジボワール代表のドログバに、現在の5倍となる年俸約13億円で移籍をオファー。しかし一方、上海申花は赤字経営に陥っており、老朽化が進んだスタジアムの改修も放置されたままだ。

 上海申花以外のチームも同様、有名外国人選手の獲得に多額の資金をつぎ込んでいるが、多くのチームは赤字経営だ。理由はチケット収入の低迷だ。広東省東莞市のメーカー勤務・高島功夫さん(仮名・36歳)は言う。

「たまに試合を見に行くんですが、チケットは買ったことない。オーナー企業と取引のある企業が、チケットを束で買い取らされているみたいで、タダで回ってくる。ネット上でも定価の5分の1くらいで売ってて、どの試合もスタジアムはガラガラですね」

 国内サッカー不振の理由として、中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。

「ここ数年、中国サッカーでは八百長疑惑やラフプレーが大きな問題となり、ファンの心が離れてしまった。W杯や国際大会で海外選手による“本物のサッカー”を見せつけられたことも一因でしょうね」

 一方、中国プロサッカーが採算度外視の金満経営を続ける理由を、『深圳新聞網』(5月23日付)が指摘している。記事によると16チームある中国スーパーリーグのうち、13チームのオーナー企業が不動産業。実はこれ、不動産取得でさまざまな便宜を図ってもらうためだからだというのだ。

 深圳市在住の会社員・岡本宏大さん(仮名・25歳)も、プロサッカーが政府高官のご機嫌取りの道具になっていると証言する。

「地元チームの試合に行くと、メインスタンドの一番いい席に、いつも地方政府の高官の家族が陣取っている。試合後は、選手が高官のもとに駆け寄り、恭しく挨拶する。まるで天覧試合ですよ」

 プロサッカーのこうした状況は、アマチュアの世界にまで影響を与えている。中国では少年サッカーでさえ金満体質に侵されているというのだ。広州市の日系工場に勤務する長田幸弘さん(仮名・30歳)は語る。

「地元のスタジアムで、少年サッカー教室が開講されているんですが、地元の会社社長がスポンサーで、月謝やユニフォーム、年1回の上海遠征試合も無料。ですが、問題はその社長の息子が下手くそにもかかわらず試合ではいつもエースであること。あれでは本当に才能のある少年が育ちません」

 まさに地に落ちた格好の中国サッカーだが、前出の周氏は「近く起死回生する」と期待する。

「次の国家主席に内定している習近平は大のサッカーファン。彼が就任すれば、サッカーの発展に多額の国家予算が組まれるはず。私も数年以内に中国サッカーは世界レベルになると信じています」

 中国サッカーの改革は習近平政権の最重要国家プロジェクト!?


【無駄遣い「外国人獲得」番付】
カネにモノをいわせた外国人選手の獲得を続ける中国プロサッカーだが、金額に見合う効果が見られなかった例も多数!

◆リッピ(広州恒大)
元イタリア代表監督と年俸約10億円で契約。地元紙は「広州人の1万5000年分の食費だ」などと揶揄

◆パウラォン(広州恒大)
’11年、ブラジル国内リーグから約3億 円で引き抜いたが、デビューから間もなく外国人選手枠から外された

◆アドリアーノ(大連実徳)
およそ6億円を投じて獲得したブラジル人ストライカーだが、その金額に見合う活躍はなく批判が集中

◆レナト(広州恒大)
’11年に1億8000万円でブラジルの名門ボタフォゴから移籍。が、10試合に出場したのみで外国人枠から外れる

◆カマーチョ(代表監督)
’11年に年俸6億円で中国代表監督に就任。ところが肝心の代表チームが早々に予選敗退し、仕事がない……

<取材・文/奥窪優木>

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